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トップ>人―かお>氷コンニャクを世界に ―やせる!若返る!美肌になる!超美味レシピ―

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橋爪 佐和子さん

橋爪 佐和子さん【略歴

氷コンニャクを世界に ―やせる!若返る!美肌になる!超美味レシピ―

橋爪 佐和子さん/氷コンニャク専門料理研究家 兼 鍼灸師

 氷コンニャク専門の料理研究家として活動しつつ、女性のための鍼灸指圧治療院を開業しています。以前から私は女性誌や健康雑誌を通じて身近なアイテムを使う簡単な健康法を紹介しており、ある健康雑誌の取材時に「健康の要は食生活にあり、手軽に美味しく食べられる健康レシピを考案するのが趣味」という話をしたことがきっかけで昨年6月『氷コンニャク超美味レシピ』というコンニャクの新しい食べ方を提唱するレシピ本を出版しました。

万能食材・氷コンニャク

氷コンニャクを使った焼き鳥もどき(やきコン)

 氷コンニャクは目的のレシピに合わせてコンニャクを切り、冷凍、解凍、水抜きをすれば味付け次第で肉や魚、デザートにもなる変幻自在で健康的な食材です。食感の変質を防ぐために凍らせてはいけないとされていたコンニャクの常識を覆す調理方法がじわじわと話題を呼び、昨秋から民放で4回、年明けにNHKのニュース番組で氷コンニャクの特集をしていただきました。

氷コンニャクを使った唐揚げもどき(コンから)

 コンニャクは低カロリーで食物繊維が豊富です。痩身や便秘解消だけでなく糖尿病や高血圧、大腸ガンのリスクを軽減出来る奇跡の食材とも言われています。しかし、世界でコンニャクを常食しているのは日本だけで、ヨーロッパやアメリカでは「Devil’s Tongue(悪魔の舌)」と呼ばれ、食べ物としての印象は最悪です。確かに袋から出したコンニャクは独特の強い臭いがあり、灰色の表面はヌルヌル、おまけになんとも言えない不思議な食感をしています。けれどコンニャクを氷コンニャクにすることでDevil’s Tongueの特徴がなくなり味がしみ込みやすく変化して、各国のレシピに順応出来る健康食材になるのです。

“食”は健康の要

 昨今、先進国の肥満率は上昇の一途で非常に深刻な問題となっています。美食や肥満が誘発する糖尿病に至っては莫大な医療費が祟って一国を亡ぼす影響力があるとまで言われています。新しいダイエットメソッドやサプリメント、先端医療が日ごとに更新されていますが、それらの世話にならないで元気に生きられるのであればそれにこしたことはありません。やはり健康の要は食にあると思います。どんなに恵まれた環境にいたとしても、常に身体の不調を抱えていたら心や思考にも悪影響が出てしまうことでしょう。世界を牽引する先進国の人々の心身が健やかであることは、世界平和に欠かせないことだと思います。

ロサンゼルスの食品メーカーでアメリカ版氷コンニャクレシピのデモンストレーション

 そこで昨年からアメリカの食材メーカーとのレシピ開発を皮切りに、氷コンニャクの魅力を世界に向けて発信する活動を始めました(アメリカでの活動ネームはKonnyaku Queen、http://www.getskinnynoodles.com/Articles.asp?ID=291)。オーガニックやロハス生活を楽しむハリウッドセレブなど一部の人たちを除き、アメリカの一般家庭ではマカロニチーズやハンバーガー、コーラに白砂糖がたっぷり入ったお菓子といった肥満や糖尿病に繋がりやすい食品を摂取しているのが現状です。健康のために食事量を減らしたり、内容を一新するのは簡単なことではありません。そこで、慣れ親しんできた食事の素材を氷コンニャクで代用し、ボリュームはそのままに美味しく味付けをして、我慢することなく健康的な食事が摂れるようなレシピを考案することにしたのです。

 現在は世界の肥満ランキング第5位にあたるアラブ首長国連邦向けの氷コンニャクレシピと食文化、生活様式を研究しています。まだ始まったばかりですが、各国の食文化に合わせた氷コンニャクのレシピがいつの日か世界の人々の肥満や疾患の減少に繋がることを私は本気で夢見ています。

現在の仕事を選んだわけ

 幼少期から趣味の料理をいつかは仕事にしてみたいという淡~い夢を持ちながら、母方の祖父の影響で将来は鍼灸師になることを割と幼い頃から考えていました。国文学者だった祖父は東洋医学も研究し、資格を得て鍼灸の治療も行っていたのです。私は高校を卒業したら鍼灸の専門学校に進学するつもりでしたが、両親と祖父の「治療の道は大学で学問を学び、様々な角度で物事を捉える見識を身につけてからでも遅くない」という薦めもあり、国際感覚に強く、幅広い分野の学問を自由に学べる中央大学総合政策学部国際政策文化学科への進学を決めました。

 私はAO入試で受験したのですが、最終面接中に当時学部長を務められていた河野光雄教授と趣味の料理の話をした際、「創作料理や世界の料理を学ぶときっと面白いことになる」というアドバイスをいただいたことが今日の活動につながっている気がしています。

 在学中から創作料理のレシピコンクール等に多数応募し、その都度学部の友人や先生方、事務局の方々に応援していただいていたことや、留学生や帰国子女の多い総合政策学部ならではの国際交流や異文化を学ぶ授業や機会に恵まれていたことが現在のレシピ製作の役に立っています。総合政策学部は学生、先生方、事務局の方たちとの距離が非常に近く、とてもアットホームでフレンドリーな空間でした。卒業して10年経ちましたが、学部時代の友人や先生方との交流は今も昔もかけがえのない大切な時間です。

 また、総合政策学部はペルシャ語やアラビア語といった珍しい第二外国語のクラスが豊富で、ロビーで第二外国語の挨拶や簡単な会話を耳にする機会が多かったのが印象的です。当時耳学問で学んだ挨拶を、海外の方とコミュニケーションをとる際に交わすと非常に喜ばれます。

 氷コンニャクと鍼灸師の仕事は総合政策学部と全く関係のないように見えますが、このように様々なシーンで当時の経験が役立っています。総合政策学部で培ったいろいろな引き出しの中身を、これからも存分に活用出来るよう仕事と家庭、育児をバランスよく前向きに楽しんでいきたいと思います。

橋爪 佐和子(はしづめ・さわこ)さん
東京都出身。中央大学総合政策学部を2006年に卒業後日本鍼灸医療専門学校に進学、鍼灸按摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。2011年春「鍼灸の四次元堂」を開業し、治療の傍ら女性誌や健康雑誌で身近なアイテムを使った健康法を提唱。2014年6月、『氷コンニャク超美味レシピ』を出版。以来、アメリカを皮切りに海外の食文化に合わせた氷コンニャクのヘルシーレシピを考案、発信する活動も行なっている。
http://sawakohashizume.com/