2012年3月8日、海部俊樹元首相が本学協定校である、台湾国立中央大学より名誉博士号が授与されました。海部元首相が50年に渡る政治家としての人生を歩んだ中で、教育と環境保護を重んじ、地球保護における諸問題に積極的に取り組み、力を注いできた功績が、台湾中央大学が掲げている「地球と環境保護の持続的成長」と同じ願い・理念であることから、今回の名誉博士号の授与に至りました。教育と環境問題に取り組んできた海部元首相は、「地球環境は、国境、宗教及び人種を超越して人類が心を一つにして協力してこそ、成功を収められる。想いを同じくする台湾中央大学の名誉博士号を拝受いたしましたことは、誠に光栄の至りに存じます.」と感想を述べられました。
台湾中央大学劉振栄学長代理から名誉博士学位記が送られた海部俊樹元首相
授与式では、台湾中央大学学長代理劉振栄氏から、日本中央大学との協定締結及び、2011年3月、日本中央大学学員日華友好会の協力による「友好の桜」への御礼が述べられたのち、海部氏の政治家人生50年に渡る教育と環境保護における功績が紹介されました。続いて、来賓挨拶として、最初に本学永井和之元総長・学長は、「本日、暖かい気持ちに満ち溢れている。これは、日本中央大学一同の思いである。敬愛する海部元首相の名誉博士号の授与をまるで日本の中央大学が栄誉を受けたように感じられる」と述べた上で、海部元首相の本学在籍中に所属していた辞達学会での秘話や、永きにわたる政治人生の中で、青年海外協力隊の設立に関わり、普及された功績等を披露し、さらに、台湾中央大学と日本中央大学は、校名が同じであるだけでなく、両校が実学を重視する同じ建学の精神を持つ、「双子」の兄弟である、と締めくくりました。
続いて、台湾中央大学元学長であり、現在中央研究院院士の劉兆漢氏、次に、元外交部長、現在は財団法人台湾永続エネルギー研究基金会董事長を務める簡又新氏から祝辞が述べられました。また、来賓の一人であった、台湾駐日本元代表の許水徳氏は、「日本滞在中に海部氏と知り合い、当時、日本の首相を務められていた海部氏は、私を心温かく迎えてくださり、その親切さに感銘を受けた。海部氏は台湾を愛し、国会議員任期中に、若い議員の方々を連れて、計13回も台湾を訪問された。台日関係及び台湾の外交上に大いに手助けをしていただいた。」と述べられました。
祝辞を述べられた永井和之前総長・学長
台湾中央大学名誉博士号授与式の後、海部元首相は、ユーモアあるお話しで会場を和らげ、これまでの自身の政治家として歩んだ人生を振り返るとともに、感謝のお言葉を述べられました。その中で、会場に詰めかけた台湾中央大学の学生に対して、「若者はどのような理想を追求していくかで、国の将来が左右する、また、私が許水徳氏とかけがえのない友情を築いたように、日本の友人を1人作り、是非友好を深めてもらいたい.」と助言された。そして、「持続可能な世界をめざして」という題の記念講演において、「一人ひとりが環境問題をさらに意識し、身近なところから環境保全に努めてください。そのことが『持続可能な世界』を目指す要諦であります。」と締めくくりました。