理工学部准教授 藤澤 克樹(経営システム工学科)が研究代表者を務めるJST(科学技術振興機構)CRESTプロジェクト「ポストペタスケールシステムにおける超大規模グラフ最適化基盤」では、次世代スーパーコンピュータ上で動作する超大規模なグラフ※解析システムの開発を目指して研究を進めています。このたび、日本初のペタフロップス級スパコンである“TSUBAME 2.0”において、超高性能な「幅優先並列探索」のソフトウェアの開発に成功しました。このソフトウェアを本CRESTプロジェクトチームの共同研究者である鈴村豊太郎客員准教授(東京工業大学大学院)らがTSUBAME 2.0上で大規模実行した結果、スパコンの性能の世界ランキングである“The Graph 500”において世界3位として認定されました。世界最大のスパコン学会“ACM/IEEE Supercomputing 2011”における11月15日付の発表によるものです。
※グラフ・・・クモの巣のように、多数の頂点とそれを結ぶ枝(エッジ)からなるデータ構造
“The Graph 500”は、スパコン上での大規模グラフ処理の性能を順位付けしたものです。1秒間に辿るグラフのエッジ(枝)数を示すTEPS(Traversed Edges Per Second)と呼ばれる指標が用いられます。ウェブ検索やソーシャルネットワーク、高度道路交通システム(ITS)など、情報化社会のインフラにおいて非常に重要かつ身近な場面で使用されます。
今回、650億個の頂点と1兆のエッジからなる超大規模なグラフに対して、TSUBAME2.0の1366ノード上で解析を実行し、10.96秒もの速さで任意の点からの全点幅優先探索を完了することに成功しました。この結果を指標化すると、100.366GigaTEPSもの数値となります。
今後も、ソフトウェアの改良やさらに大規模なスパコン等での実行を目指し、高性能化とThe Graph 500での順位アップを目指します。
ご興味をお持ちの方は以下のリンク先をご覧ください。