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トップ>ニュース>フィリップ・フォール駐日フランス大使講演会(2011/6/9開催)の録画映像を配信します

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フィリップ・フォール駐日フランス大使講演会(2011/6/9開催)の録画映像を配信します

 2011年6月9日(木)、多摩キャンパスにおいて、フィリップ・フォール駐日フランス大使を講師としてお迎えした講演会「世界の中のフランスと3・11後の日仏関係」を開催いたしました。大変お待たせいたしましたが、講演会の録画映像の配信準備が整いましたので、お知らせいたします。当日は、約500名の聴講者で会場は超満員となり、講演終了後は大使による示唆に富んだ話を受け、学生による活発な質疑応答が行われました。

 なお、この講演会は、「中央大学の国際化を進め、学生の知的好奇心を喚起する」ことを目的としたインターナショナル・ウィーク(テーマ:フランス)の一環として実施いたしました。

【講演解説】文学部 三浦信孝教授

 「3・11」とは東日本を襲った大地震と津波によって引き起こされた福島原発危機をさす。アメリカの「トモダチ作戦」のみメディアでは報道されたが、原発大国フランスも被災国の救援にかけつけ、サルコジ大統領はG8とG20の議長国として3月末に訪日、とくに放射能汚染水については原子力最大手のアレバ社が除染処理を請け負っている。原発危機に際しての協力支援に先立って、大使はフランスの外交力の秘密を雄弁に語った。①国連安保理の常任理事国、②独自の核抑止力、③独仏和解による欧州統合、④国際語としてのフランス語の4つがフランス外交の切り札だが、「経済大国・政治小国」の日本にはそのいずれもが欠けている。大使はそれに加え、高い労働生産性とすぐれた先端技術による世界第5位の経済力、国連決議にもとづいて紛争地帯に出動できる軍事力、外交を軍管事項とする5年任期の強大な大統領制をあげた。毎年首相が替わる日本には耳が痛い話だ。

 原子力発電はフランスの百年の計であり、福島以後も原発推進の旗を下ろすことはないという。もちろん地震や津波がなく、「9・11」のような空からのテロ攻撃にも耐えられる欧州加圧水炉EPRを開発し、原子力の安全に関しては独立の規制当局をもつフランスならではの態度表明である。福島後、日本が原発推進から撤退すれば、ヨーロッパで孤立しつつあるフランスにとっては痛手だろう。原子力は日仏協力の最大の分野なのである。

【講師プロフィール】Philippe FAURE Ambassadeur de France au Japon
フィリップ・フォール駐日フランス大使
1950 年6月13日、トゥールーズ市に生まれる。哲学学士号および英語修士号を取得後、パリ政治学院を卒業。国立行政学院を卒業(ゲルニカ期生)。 キャリア外交官として活躍、メキシコ、モロッコの大使を歴任後、2006年3月に外務省事務総長に就任。同じ時期にアレヴァ、EDF(フランス電力公社)の取締役、CEA(フランス原子力庁)の理事を兼務した。2008年2月以来、駐日フランス特命全権大使を務める。フィリップ・フォール氏はレジオン・ドヌール勲章オフィシエ、国家功労勲章オフィシエ、農事功労章オフィシエ、イザベル女王勲章(スペイン)、ドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字章、アギラ・アステカ勲章(メキシコ)、アル・アラウィ勲章(モロッコ)を受章している。