あけましておめでとうございます。

　中央大学に対する平素のご厚情とご支援に感謝申し上げますと共に、
皆様のご多幸とご健勝を心よりお祈り申し上げます。

　本学は、１８８５（明治１８）年に英吉利法律学校として創立され、イギリス流の経験主義・合理主義を重視する「實地應用ノ素ヲ養フ」という建学の精神のもと、実社会が求める人材を育成する「実学」を受け継いで参りました。この「実学」とは、社会で役立つ知識を修得することだけを意味するのではなく、美しい地球をいかに次の世代に引き継ぐかという人類共通の大きな課題に真摯に取り組み、社会をより良くする力を養うことだと考えております。

　昨年本学は、国連「アカデミック・インパクト」への参画を表明いたしました。これは国連と世界の高等教育機関が人権保護、持続可能性社会の模索など地球規模の１０の課題に取り組むものです。本学では「国際水環境理工学人材育成プログラム」において、国際的視野を持った水環境・水処理技術者を育成し、東アジアを含む世界の諸地域の水環境に関し、技術面はもとより、法律・経済等の面においても世界に貢献して参りたいと考えております。

　創立１２５周年の節目を迎えました本学にとって、２０１１年は１２５年プラス１の新たなる年となります。これまでの良き伝統は守りつつ、世界で存在感のある大学を目指して、これからも真摯に教育・研究に取り組んで参ります。

　本年も引き続き、皆々様からのご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

２０１１年　元旦
中央大学総長・学長　　永井　和之