法科大学院教授 大村雅彦
2月26日、法科大学院教授の大村雅彦と同大学院教授 佐藤恵太が、カンボジアの民法・民事訴訟法の起草支援活動に携わったことにより、カンボジア王国からカンボジア友好勲章を受章しました。また、名誉教授 鶴田満彦は、5月26日、東京麻布の駐日キューバ共和国大使館で、キューバ共和国国家評議会(議長=ラウル・カストロ)友好勲章を授与されました。
カンボジア政府は1999年、日本の外務省に対し、カンボジアの新しい民法と民事訴訟法の起草支援を要請。これを受け日本の法学者と裁判官からなる起草作業部会が組織され、二つの法典の起草作業が進められました。この過程で大村は民事訴訟法作業部会の委員として、佐藤は知的財産法の取り扱いに関連して民法作業部会に一時期参画していました。
その結果、民事訴訟法が2006年7月に、民法が07年12月に、それぞれ公布されました。今回の叙勲は、10年間にわたり協力した作業部会委員や日本側の関係者37名に対して行われたものでした。
法科大学院教授 佐藤恵太
大村は「10年間もこの活動に関わり、自分の研究人生のなかでも重要な1コマになりました。起草作業では日本の法制度を押しつけることなく、現地の実情やニーズを聞きながら進めました。現地での会議などを通じてコミュニケーションを図りながら進めたことが、成功の一因だったと思います」と話しています。
また佐藤は「カンボジア側が、知的財産関連規定を民法典にと考えたので、必要な規定と民法典が適切かというアドバイスをしました。知恵を授けてほしいというカンボジア側の熱意を忘れることができず、その後も現著作権局長官を日本に招聘し、また学生を引率して、カンボジアやベトナムの現状を見せるFLPなどのプログラムに携わるきっかけとなり、感謝しています」と、述べています。
名誉教授 鶴田満彦
一方、鶴田が授与された友好勲章は、キューバとの友好・相互理解に貢献した外国人に授与されるもので、本学関係者としてはフィデル・カストロ議長の時代の久野修慈理事長・学員会会長に次ぐものです。
鶴田は、中央大学在職中からキューバ人国費留学生や国際交流基金によるキューバ人訪問研究者を指導したり、ハバナで行われた国際学会やシンポジウムで研究発表をしたり、04年からは日本キューバ友好協会の理事長を務めていることが、評価されたものとみられています。
授与式ではまず、国家評議会へ友好勲章受章者の推薦権をもつキューバ諸国民友好協会のアリシア・コレデラ副総裁が推薦の理由を述べ、フェルナンデス・コシーオ大使から勲章が手渡され、次いで鶴田から受章に対する感謝のスピーチがあり、最後にアンドレス・バジェステル政務参事官の発声で祝賀の乾杯が行われました。
(提供:学員時報第458号)