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学生日本一を決めた次の瞬間、望月選手はスタンドのチームメイトへ、やったぞポーズ(写真提供=月刊スマッシュ)
福井烈先輩以来、40年ぶりの男子シングルス制覇
望月勇希選手(法学部3年)
中央大学硬式庭球部の望月勇希選手(法3)が、8月の全日本学生テニス選手権(インカレ)男子シングルスで初優勝した。
中大勢では1978年の福井烈選手以来、 40年ぶりの快挙だった。
大学3年で初めて学生チャンピオンとなった。高校3年で高校総体(インターハイ)優勝。期待された中大入学後も1年次で全日本学生選手権シングルス準優勝。2年次は国際テニス連盟主催の男子フューチャ ーズ大会(6~7月・香港)を制するなど順調だった。が、足をけがしてしまった。
このときだ。災いを「福」に転じようと考えた。入学時の体重は56キロ(身長173センチ)。負傷時に体を鍛え直し、栄養学を勉強して、けがをしにくい体づくりを目指した。体重はフューチ ャーズ大会香港V2時に8キロ増の64キロ。筋肉がパワーアップした。
昨年12月には、全日本選手権大会混合ダブルス準優勝。男子シングルスではベスト8。成績は再び上昇カーブを描きだした。
「私以来40年ぶりというのはびっくりしましたが、望月選手の優勝には驚いてはいません。彼のテニスを見て実力を知っています。ベストプレーをすればチャンピオンになれる選手です。目標はもっと先にあるはずです。インカレ優勝で、さあ次は! と彼はもちろん、テニス部も元気が出る、勇気付けになる。そういう発信ができた優勝ですね。おめでとうございます」
テニス選手としては小柄ながらも、繰り出すダイナミ ックなショットが持ち味である。また競り合ったシーンでの勝負強さと一球一球に込める気合の入ったプレースタイルが魅力である。
(中大硬式庭球部・北澤竜一監督=日本体育協会公認コーチ)
猛暑に見舞われた大会だった。会場の岐阜県内では8月8日、美濃市で全国歴代2位となる日中の最高気温41度が記録された。
大会期間中も暑い日が続き、8月15~17日は38・4度、39・8度、38・2度。決勝の21日は36・5度という厳しさだった。
炎暑のなかでプレーする。望月選手が決勝のコートサイドに持ちこんだのは水、スポーツドリンク、過度の発汗による脱水状態を防ぐ経口補水液、オレンジジュース、バナナ、氷嚢。ウエアは同じものを3枚ずつの計6枚。「暑いのは好きです。テニスしている、と感じます」と明るい表情の望月選手。相手に勝って、暑さにも勝った。
望月選手は体調管理にも気を付けている。香港遠征時、本場の中華料理にはあえて背を向けて、食べ慣れている日本食を選んだ。
トップアスリートに多く見られる傾向のようで、海産物がおいしい場所へ行っても大会中は食べずに、閉会式後に名物料理を楽しむそうだ。