総合政策学部の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
皆さんはこれから、いろんな人に、「総合政策って何するところ?」と何十回も聞かれることになるでしょう。私は100回以上、聞かれました。
簡単に説明すると、こうです。いろんな分野の学問を、幅広く学びます。「教養」を身につけると思ってください。「語学」は、英語を入れて10語種あります。アジアの言語が充実しています。しかし、外国語大学ではありません。
教養を身につけ、語学力を鍛え、それで何をするのでしょうか?
総合政策学部とは、国内外における社会問題の解決や社会現象の解明を目指し、グループワークで知恵とアイデアを出し合い、現地調査やインタビューなどを踏まえ、最終的に解決のための政策提言を行うというトレーニングをする学部です。
これまでの大学が、象牙の塔に閉じこもり、実際の社会問題の解決に貢献してこなかったのではないか、という反省から生まれた学部ともいわれています。
先輩たちが取り組んだ事例を紹介します。
まず、国際系です。①カンボジアの孤児院の孤児は雇われた子どもだった②フィリピンのゴミ問題と新しいソーシャルビジネス③タイのヒット映画「メナムの残照」に描かれた日本人兵士の真相④カンボジアにおける地雷被害者への支援と課題⑤台湾二二八事件と中央大学卒業生⑥北方領土問題に関するフィールド調査などです。
政策系では、①3.11以後のエネルギー政策はどうあるべきか②医薬品のネット販売は全面解禁すべきか③非正規雇用から正規雇用への政策④地下街の老朽化と地下街の存在意義⑤忘れられる権利―ネット社会の法制度⑥「おバカ投稿」の因子分析的研究などです。
このように、大前提として、社会問題や現象、謎などがあり、その解決や解明のために、グループでアイデアを出し合い、学生が自主的に取り組むのが総合政策の特色です。
このため、総合政策学部では、「現場」を重視します。学問分野を幅広く学び、フィールドに行き関係者から話を聞き、調査を行って、問題解決や解明を図ります。そういうトレーニングを繰り返すことによって、学生たちの総合的な能力を開発し、自信につなげていくことを目標にしています。
さあ、皆さん。教養と語学力を持って、「今、そこにある問題」に取り組んでみましょう!