入学おめでとうございます。皆さんの大学入学に向けての努力と健闘を讃えるとともに、中央大学に学びの場を求める皆さんを心から歓迎いたします。そして、これまで皆さんを支えてこられましたご家族やご関係の方々にも心からお祝いを申し上げます。
中央大学において、伸び伸びと学業やスポーツ、サークル、ボランティアなど諸活動に励み、それぞれの抱負や夢を志に昇華させ、大きな成長を遂げられることを期待し、教職員一同皆さんを応援したいと思います。
本学は「實地應用ノ素ヲ養フ」を建学の精神に掲げ、1885年(明治18年)に英吉利法律学校として創設されました。「白門」に象徴される130年の伝統のなかで、中央大学は6学部、大学院8研究科、専門職大学院3研究科、4附属高等学校、2附属中学校、9研究所を擁する総合大学、総合学園として発展してきました。本学の創設者は、経験を尊び実際を重んずる学風を育て、個人の自由と自助の確立、実証精神と在野精神の涵養、自由闊達な進取の精神などを強く訴えました。この中央大学の誇るべき伝統である実学教育は、今日に至るまで脈々と受け継がれ、研究・教育活動のなかに生かされています。この実学教育は、単に実用に即した知識の修得を目指すものではありません。それは学問的探究を通して創造的批判精神を養い、社会での課題に応える知性を育成することに核心があります。この思いは、現在「行動する知性。-Knowledge into Action-」というユニバーシティ・メッセージにも込められています。
正解のない時代と言われているなか、どのような立場にあってもグローバルな視点とスケールで活躍できるようになるためには、国際的知識人としての教養を身につけると同時に、世界水準での専門知識も備え、短期、長期を問わず在学中に留学の機会を得るなど、グローバル体験を獲得することが必要になります。「グローバル人材育成推進事業」を展開している本学は、このような趣旨にそったさまざまな学修機会を提供していますので、新入生の皆さんも積極的に参加され、視野と活動の範囲を広げてほしいと思います。
中央大学はいってみれば、皆さんが持っているさまざまな可能性を大きく成長させていく宝庫です。今までの自分にとらわれることなく自分自身を鍛え上げ、全力でこの4年間の大学生活を謳歌してください。そして、この同じ会場で卒業の日を迎える時には、今の入学の喜び以上の充実感、達成感、深い感動を味わいつつ学窓を巣立っていってほしいと願っています。
現在、本学には約27000名の学生と、700名余の教員、450名余の職員がいます。桜が咲き誇る多摩キャンパス、またスカイツリーが見渡せる後楽園キャンパスで出会い、そこで生まれる学生、教職員との人間関係は将来皆さんの人生を彩り深いものにすることでしょう。
皆さんのご健康とご活躍を心から祈念して、お祝いのご挨拶といたします。