皆さん、卒業おめでとうございます。卒業とは、学問を成し遂げるという意味です。皆さんは、それぞれの専門分野を学び修め、学士という学位記を手にしました。その学位記は、皆さんの努力の結晶であり、勉強の成果です。大学で学んだことの一つひとつを一生の宝として欲しいと思います。それを土台にして、これから先もさまざまなことを吸収して、さらに大きく成長していくことを心から期待しています。

　「卒業」という言葉は、「卒」（おわり）と「業」（はじめ）の二文字から成り立っています。卒業という出来事は 、終わりでもあり、また、始まりでもあるということなのです。卒業は、人生における一つの区切りです。充実した大学生活を過ごした皆さんは、明日からの生活に勇躍と踏み出していくことができるでしょう。大学生活をしっかりと締めくくり、次の一歩を確実に進んでいってもらいたいと思います。

　明日からは、大学生活は過去のことになります。とかく思い出は懐かしく、美しいものです。でも、いつまでも過去の思い出に未練を持っていてはいけません。前に進むエネルギーが削がれてしまうからです。

　今日の卒業式で、しっかりと大学生活を締めくくり、それに始末をつけてください。「始末」は、「始」（はじめ）と「末」（おわり）です。物事に始末をつけるには、自己管理が重要となります。明日からは、いろいろな面で自己管理を徹底していってください。今日が、その始まりの日となることを祈っています。