皆さん、ご卒業おめでとうございます。
入学から卒業までの4年間はいかがでしたか。入学直前に東日本大震災が発生し、その影響を受けた方も多かったことと思います。間接的な影響を含めればほとんどすべての人が何がしかの影響を受けたのではないでしょうか。
東日本大震災のような大きな自然災害や危機が再発しないことを祈るばかりですが、すでに世界には大きな危機が実在し、かつ沢山の潜在的な危機も存在します。それらの危機は、政治的、経済的、社会的、宗教的、軍事的などさまざまです。世界のどこかでいつ危機が発生してもおかしくない状況にあります。グローバル化は、一地域の危機が世界全体の危機につながる可能性を含意しています。
グローバル化から撤退し、孤立や鎖国を目指すことが選択肢として残されていないとすれば、私たちは潜在的危機を想定して事前・事後の対策を考えておく必要があります。たとえば、潜在的リスクへの事前対応として、リスク回避行動をとったり、リスク分散を通じて予想被害の最小化を図ったり、保険に加入する、といったことが必要です。
大学生時代は、自宅と大学とアルバイト先が生活空間の大部分を占めていたことと思います。要するに、比較的安全な空間に身を置いていたと言えます。しかし、今後は世界のどこかに向かって航海することになります。向かう先は、不確実性や危険に満ちた空間かもしれません。大学生時代に蓄えた知識と鍛えた知恵を最大限に活用して、安全かつ安心な将来対応を準備されることを願っています。