卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、これまで皆さんを支え、このよき日をともに迎えられた全ての皆さんに、心からのお祝いの言葉をお伝えします。
1885年、若き18人の法律家が英吉利法律学校を創設してから、今年で130年。また本年は「戦後70年」という節目の年に当たります。その間、中央大学法学部は、社会の発展に寄与すべく、堅実で真面目な努力を惜しまない人間性豊かな卒業生を輩出してきました。その中には、日本の植民地支配下にあった国々からの「留学生」が含まれています。白門を巣立った先輩が紡いできた歴史に、皆さんもその名を刻み、連なることになるのです。
「グローバル化」が進展し、異なる価値や利益を追求する人びとの交流を促進したり、そこに生じる紛争や対立を未然に防止したり解決することへのニーズは、ますます高まることでしょう。また、「3.11」を契機として、これまでの社会のあり方の深部を見つめ直し、今後の社会のあり方を構想し、未来を切り拓くことの大切さはもとより、今、そこで、問題を抱えている人びとに寄り添い、その声に誠実に耳を傾け、問題解決に真摯にとりくむ人びとの存在意義に、私たちはあらためて気づかされているのではないでしょうか。
卒業生の皆さんが、それぞれの「現場」「持ち場」で、法律学・政治学の専門的知識をいかし、他者とともに意思決定を行い、行動に移す力に磨きをかけ、活躍されることを願っています。