トップ>HAKUMON Chuo【2015年秋号】>【表紙の人】理工学部スペシャル Faculty of Science and Engineering
自主運営の中大学友会・理工連盟
土師好栄さん 会計部長 (理工2情報工)(左)
井上麻美さん 委員長 (理工2経営シ ステム工)(右)
リケジョ 今を知り、明日を考える
理系女子学生『リケジョ』が中央大学「理工連盟」で奮闘中だ。同連盟は中大学友会7連盟の1つ。井上麻美委員長、土師好栄(どしよしえ)会計部長ら7人の常任委員が22部会を束ねる。学生自治による組織運営は「大変ですが、やりがいがあります」と声をそろえた。
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周囲にビルが林立する都心の後楽園キャンパス。テニスコートに近い4号館(サークル棟)の一室に各部会メンバーが次々に訪れ、2人は対応に追われる。
予算時期の12月はとくに大変。もし提出期限を守らず、書類に不備があると活動費が下りない異常事態にもなりかねない。大学への提出書類のチェックは日ごろから厳しい。
井上さんは理工学部経営システム工学科2年。土師さんは同学部情報工学科2年。ともに出身サークルから選出され、任期1年で従事している。傘下22部会の事務手続きを滞りなくこなし、多摩キャンパス学友会への報告文書を作成する。
学友会とは、「中央大学学生が自主的な活動によって学術、文化、体育の向上発展を図り、会員の人間性を深め、より高い文化を築き、社会の発展に資することを目的とする」と規約にある。
会員とは学部生のことで、学友会の設立は1911(明治44)年にさかのぼる。学生の自主的活動は百年以上前から始まっている。
理工連盟執行部のメンバー。左から多田、上坂、井上、小泉、土師、木村、濱野
大きな掲示板かと思われたのは連盟内の大型キャビネットの表示部分。大事なことは目につく場所に置いておく。円滑な事務処理には欠かせない。
2人はこの仕事を通じ、大局的見地に立って組織を見るようになった。各サークルへの連絡や煩雑な事務作業は多いものの、井上さんは「やりがいがありますね。サークルでは分からないことをここで知りました」と評した。土師さんは専門外の会計学を覚え、「学ぶことが多いです」とコメントした。
サークルが「木」なら、理工連盟は「森」である。
「よく気が付くんですよ」とは土師さんによる井上委員長の仕事ぶり。未整備だったキャンパス内の階段に手すりを付けた。完全バリアフリー化へ動いた。ここにも大局観がある。
名前 | 学科学年 | 役職 | 部会名 |
多田恭輔 | 精密機械工学科2年 | 副委員長(企画) | 鉄道研究部 |
上坂直輝 | 電気電子情報通信工学科2年 | 副委員長(渉外) | 電気工学研究部 |
小泉真人 | 情報工学科2年 | 管理部長 | 理工ジャズ研究会 |
木村迅利 | 電気電子情報通信工学科2年 | 書記部長 | 技術問題研究会 |
濱野 凌 | 精密機械工学科2年 | 企画部長 | 精密機械工学研究部 |
井上さんは「理工サイクリング同好会」に所属している。大学の長期休暇。春は沖縄へ。夏は北海道の釧路や知床へ。「私たち、風になって走ります」。日ごろは後楽園キャンパスから1日100キロほどペダルをこぐ。健康ブーム、サイクリング人気もあって、いまや部員60人の大所帯だ。
土師さんのサークルは「情報工学研究部」。
プログラミング専攻の学生はパソコンゲームを作ってしまう。部員40人の中から選抜し、1チーム3人編成とする。「プログラムでエラーが出るとホントに大変で」。熟考し知恵を絞り、ゲームを文化として理工白門祭へ出展した。
「プレーした後の高校生に、“面白かった”なんて言われると、もううれしくて。中大に入ってくれるとイイなって」
2人ともサークルの話題になると屈託がない。
最先端の大型研究施設がそろう |
企業や研究所との共同研究が盛ん |
都心にありながらゆったりとした雰囲気 |
「理工学部2016」発行・編集 中央大学から
授業・研究が終わったあとは買い物、話題のスイーツを食べに銀座、新宿、池袋などへGO。「女の子はお出掛したくなるものです。理工学部は女子にお勧めデス」と土師さん。「ほかの大学は理工学部が郊外にありますが、中央大学理工学部はアクセスがとてもいいです」とは井上さん。
理工連盟に集まる学生の学科は数学、物理、精密機械、電気工学、人間総合理工学科など多士済々だ。「ここにいると多くの学生からいろいろなアイデアが生まれ、私は知らなかったことが分かるようになりました」と井上さん。今を知り、明日を考える。近い将来の人生設計で役に立つことが多いと感じる。「だから続けられると思います」と土師さんが呼応した。
理工連盟室。用事を済ませた学生の背中に2人が声を掛ける。「お疲れさまです。何かありましたら、また、来てください」。ドアの向こうとこちら側、双方が笑顔でいる。
この部屋の“住人”、壁の鳩時計が口笛を吹くように時を知らせている。
■リケジョを後押し中大WISE
中央大学では、理工系女子学生のための産業キャリア教育プログラムWISE Chuo(Women In Science andEngineering, Chuo University)に取り組んでいます。
本プログラムでは、産業・科学技術の基礎から応用力まで養成する実学教育と、ライフステージとキャリアパスが理解できるキャリア教育プログラムを実施しています。ロールモデルとなる女性研究者・技術者および OG を招いての講義や講演会を通して、理工系で学んだことを活かしたキャリアデザインへのモチベーションを上げることを目的としています。
また、将来のリーダーとなる人材の育成に重点を置くとともに、男女共同参画社会を支える男子学生を含めたキャリア教育にも力を入れています。
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