国家公務員の人事管理を担う人事院の第12代総裁に一宮なほみ氏が就任した。4月12日付。一宮総裁は1971年、中央大学法学部を卒業した。
人事院総裁は、衆参両院の同意を得て任命された3人の人事官のなかから内閣が選任するもので、同月14日、一宮氏は安倍晋三首相から辞令を交付された。
首相が成長戦略に掲げる「女性登用」の一環とみる向きもあるが、一宮氏は「女性を特に意識したことはありません。これまで積み上げてきた結果が就任につながったと思います。自分の存在が後に続く女性の励みになれば、これ以上うれしいことはありません。能力の高い女性が責任の重いポストに就くのは有意義です」などと就任の記者会見でメディアに語った。
中大卒業後は72年に司法修習生となり、74年に判事補。裁判所職員総合研修所初代所長、水戸地裁所長、東京高裁部総括判事などを経て仙台高裁長官に。女性で2人目の高裁長官だった。昨年6月から人事院人事官を務めていた。
裁判官時代は、医療機関と裁判所の協議会を設けて医療訴訟の審理促進に取り組み、裁判所職員や法律家の人材育成、能力開発に携わってきた。今後も子育て経験を生かし、国家公務員が誇りと使命感を持って意欲的に仕事ができる環境作りを目指すという。
■「女性の活躍」重要、7割が応援
日本生命の3月の調査によると、日本経済の発展、安倍内閣が提唱する成長戦略として女性が活躍する社会が「重要」と答えた人は全体の72.4%に上がった。女性が活躍するために必要なこととして、「女性自身の能力・経験」と答えた人が58.2%で最も多かった。次に「女性自身の意識・姿勢」が続いた。環境づくりのほか、女性の努力も求められていることが分かった。