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トップ>HAKUMON Chuo【2014年早春号】>【卒業の日に−贈る言葉】10年先を見つめて

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卒業の日に−贈る言葉

10年先を見つめて

石井 靖(いしい・やすし)/理工学部長

石井 靖

 卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。長い学生生活を終えて、社会に飛び出していこうとしている皆さんに、心よりエールを送ります。

 理工学部で学んだ皆さんは、最後の1年間は研究室に配属となり、最先端の研究の現場を垣間見たことと思います。1年間という短い期間では、研究成果を上げるまでには至らなかったかもしれませんが、研究室で過ごした日々は皆さんの足腰を鍛えることになったものと確信します。

 ところで「最先端の研究」と言って、実際に皆さんが体験したのはどんなことだったでしょうか。多分、今できることを一つ一つ積み上げて形にしていく、そんな作業の繰り返しだったのではないかと思います。しかし、当然のことながら、それぞれの研究テーマには大きな研究の流れの中で据えた目標があります。研究では、地道な作業の中でこの大きな目標を見失わないことがとても大切です。

 皆さんはこれからしばらくの間、職場の上司や先輩を見て、1日も早くその社会の一員となれるように、目先のことに追われる毎日をおくるものと思います。しかし、そのような中でも、いつも10年先の自分を見失わないで下さい。10年後にはこうありたいという目標をもって、それに向かって努力して下さい。

 6年後に東京オリンピックを控えていても、社会は明るい見通しばかりではありません。その中で、中央大学で育んだ理工マインドを武器に、皆さんが10年後に大きく成長されていることを祈って、お祝いの言葉と致します。