皆さんは、中央大学で過ごされた数年間を経て、次のステップに向けて旅立たれます。人生80年のうちの約5%を過ごされた中央大学での「歴史」は、有意義だったでしょうか。入学時の希望や夢が途中で雲散霧消したり変質・変形したり、あるいは予想以上に進展したりと、人それぞれであったに違いありません。「人生いろいろ」であるように、「学生生活いろいろ」であったことでしょう。
皆さんの門出に際し、一言、はなむけの言葉をお贈りしたいと思います。
今後の人生においては、数え切れない「失敗」に直面することと思います。しかし、「失敗」の多くは「貴重な経験」であり、将来の成長や発展につながる要素、あるいは将来生じるかもしれない大きな失敗の回避につながる要素を含んでいるかもしれません。実際、私たちが直面する問題は初めてということが多く、模範解答など最初から用意されているはずがありません。その意味ではすべてが初めての経験であり、チャレンジです。
こうした「失敗」を数多く経験すること、そのためには「失敗」を恐れずに、「失敗」から貴重な教訓を学ぶことが、人間を少しずつ大きくしていくように思います。数多くの失敗と学習の積み重ねが、きっと揺るぎない自分を形成していくことでしょう。人生における先輩として、今後沢山の難局に立ち向かうであろう皆さんを応援しています。