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トップ>HAKUMON Chuo【2013年冬号】>【法科大学院司法試験合格者祝賀会】前途洋々たる法曹人生に乾杯

Hakumonちゅうおう一覧

【法科大学院司法試験合格者祝賀会】

前途洋々たる法曹人生に乾杯

中央大学法科大学院 司法試験合格者祝賀会

2013年に難関の司法試験に合格した中央大学法科大学院修了生の合格祝賀会が10月24日夜、東京・市ヶ谷のホテルグランドヒル市ヶ谷で行われた。全国から集まった合格者には、他大学学部出身者であっても「私の母校は中央です」と語る人も多く、“法科の中央”、健在ぶりと広まりを示していた。

 中央大学法科大学院は開設10周年を迎えた。今回の合格者は177人、祝賀会には152人が出席した。広いはずの会場は、胸に紅白のリボンを付けた合格者とお祝いの関係者でぎっしり埋まった。

 「おめでとうございます、これまで何度も言われたことでしょう」で始まった福原学長のあいさつは、「人生の豊かな時間に感じ取ったこの喜びをこれからは法律家として生かし、新たな一歩を踏み出していただきたい」と続け、「年に一度、教師冥利に尽きる夕べでもあります」と結んだ。

 来賓祝辞などで話題になったのは、これまでの努力の日々だ。「さぞや大変なものだろうと推察します」と足立理事長。

 にぎわうパーティー会場で、合格者に勉強する毎日の様子を教えてもらった。

5人の子供を育てながら

子育てをしながら見事、合格した田伏さん

 田伏いづみさんは明大の学部を卒業後、社会人を経て、中央大学法科大学院を修了。今回が3度目の受験。現行制度ではラストチャンスとなった。背水の陣を支えてくれたのは「5人の子供たちです」と傍らの5人を温かく見つめた。

 中学3年、小学6年、小学3年の双子、小学1年。ただでさえ、受験勉強で忙しいと思われるのに育児が人の何倍もの量がある。

 「ほかの人たちに負けないように、私は生活の中でできる細切れの時間を大切にしました」と田伏さん。5分でできる勉強。30分あったらコレにしよう。2時間もらえたら…。

 絶えず準備をしておいて、子供が寝たなと思ったら教科書を開く。育児と勉強は背中合わせにあった。「気が付いたらリビングの床に寝ていることがありました」照れ笑いを浮かべて、こうも話してくれた。

 「小学1年の女の子が、ママ 応援してるよ と手紙を書いてくれて。5月の試験前でした」

小1の女の子からもらった手紙

 登校前、リビングのテーブルに置いて行ったという。「不自由をかけるときもあるのに…」。手紙を読んで泣いて、手紙を抱きしめた。「今でも肌身離さずに持ち歩いています」

 中3の長男の励ましは、夫君とのマラソンがきっかけだった。法科大学院の市ヶ谷キャンパスまで走ってきたある夜、校舎の窓から煌々と輝く照明灯が見えた。「ママが遅くまで勉強しているのが分かったよ。あの人たちと一緒に勉強しているんだね」

 母の姿を見て、長男が机に向かい、下の子も見習う。「双子の子たちは、お兄ちゃんの言うことをよく聞くんですよ」

 司法試験合格!待望の吉報を家族7人全員で祝ったのは言うまでもない。

謝辞

 登壇した合格者の代表者、松村武志さんは謝辞で、こう話した。

 「厳しく接していただいた先生方のおかげです。時に厳しく、時にも厳しく、粘り強く指導していただいた。すべての方々に感謝します。私は中学、高校、大学と国立の出身者。初めての私学では、友達ができないのではと不安でした。しかし、皆さんによくしていただいた。中央に来てよかった、中大の一員として胸を張って言えます。私は中央大学の卒業生として、活躍していこうと思っています」降壇する松村さんに拍手がいつまでも続いていた。

来賓祝辞

人横田尤孝・最高裁判所判事

 「一生を託するに悔いのない仕事です。皆さんは人生のとても良い選択をされた。今後は、例えば阿川佐和子さんの著書『聞く力』のように、当事者の話を聞くことが大事です」

人小貫芳信・最高裁判所判事

 「こうして150人を前にすると盛観です。私と同じ中央大学で学んだことをうれしく思います。これからは世界で活躍してほしい。この中から10人くらいは、国際機関、世界の辺鄙なところへ行って力を発揮する夢と冒険心をもった人が出てきてほしい」

乾杯

林勘市・中央大学法曹会幹事長

 「全国で中央大学の先輩が活躍しています。皆さんは難しい試験に合格したのだから、もっともっと喜んでいい。これからの法曹人生50年、洋々たる人生に乾杯」