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トップ>HAKUMON Chuo【2013年夏号】>【コラム「きのうきょう」】パンツスーツでごめんなさい

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コラム「きのうきょう」

パンツスーツでごめんなさい

学生記者 渡辺紗希(法学部4年)

 4月第1週、就職試験の面接が本格的に始まりました。面接とは恐ろしいものです、わずか30分ほどで私の行く末が決まります。

 緊張の連続でした。気付いたら5日間も面接とご飯・寝るだけの気の休まらない日々。これではダメだ、と次の面接準備もせず、本屋でひたすら立ち読みをして気分を転換。次の面接では驚くほど楽しく面接官と話ができました。

 といっても順調に面接を通過したわけではなく、最終面接になかなか辿り着けない辛い日々が続きました。結果待ちの独りの時間が怖くて、連絡が入りそうな時間帯に友達と会う約束をしました。

 身だしなみは大いに悩むところです。2着目のスーツを買うか止めるか。会社間を短い時間で移動することを考えて、動きやすいパンツスーツを新たに買いました。年配の面接官にはスカートが好印象との風評もありましたが、パンツスーツで通しました。終わるたびにクリーニングに出し、身だしなみを整える。そうすると自信が出てきます。企業には志望度が高いことが伝わると思います。

電源あるかしら

 企業説明会はとても面白く、情報の宝庫でした。最初は業種や職種など絞らず、幅広く参加して、1度は質問するようにしていました。開催場所が重なることもあります。企業からの連絡・予定確認などを頻繁に行うため、外出先でも携帯電話やパソコンの充電は重要でした。駅周辺のカフェに電源があるかないかに詳しくなりました。

 中大での企業説明会にもよく参加しました。まれに参加学生が少ないときは、企業側の社員と話ができます。こうした交流は企業のサイトから予約する説明会では難しいことです。

 手帳に訪問予定を書き、こまめにスケジュール管理をしていたつもりでも、あれやこれやに気をとられ、ある説明会の開催日をあとで知りました。学生証を忘れたこともあります。受付でストップがかかり、人事部に連絡されたあと、本人確認のための生年月日や電話番号を聞かれる事態に。

 説明会参加を楽しみに、ときに楽しみ過ぎた私は肝心なことに取り組めていませんでした。エントリーシート(ES)です。3年生になると「自己分析」などの項目を熟考する人が多いなか、私は間際の2月中旬になって必死で始めました。

 社会人となった先輩や大学の先輩にすがり、締切日前夜には夜通し面倒をみてもらったことがあります。文章の配列や言葉・表現が変わりました。企業の文書扱いが郵便局留めであれば、ESに記入する前に何時までに郵便局へ持っていけば間に合うのかを確認。いつもギリギリで、締切に間に合わなかったこともあります。早めが一番です。そうわかっていても、上手くできないものでした。

 就職活動は人によって全く違います。「楽しんだもの勝ち」と先輩から聞いていました。実際、多くの人と会い、新しいことを知るのは楽しかった。しかし、またやりたいかと言われれば、やりたくはないです。おかげさまで私にもお声がかかりました。

 就活は「縁」です。企業との「縁」はもちろん、就活中に接した社会人、先輩や友達、数多くの人との「縁」。人の繋がりを再認識する機会でもありました。