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トップ>HAKUMON Chuo【2013年春号】>プロデュースって面白いな 中央大学・野島記念実行委員会メンバー

Hakumonちゅうおう一覧

プロデュースって面白いな

中央大学・野島記念実行委員会メンバー

委員会メンバーの面々。前列左から古林、仲原、高村、後列左から分部、久保野谷、内山、木下

【かごに乗る人、担ぐ人、そのまた草履を作る人】

前号(早春号)でお伝えした中大生発案のビジネスコンテスト「野島記念BusinessAward」のプロデューサーが商学部2年・仲原知輝さんら実行委員会のメンバーだ。野島記念とは、中大OBでノジマ (家電・パソコンの量販チェーン)社長・野島廣司氏の寄付金によって2007年より運営されている中大生のためのビジネスコンテスト。いわば起業家の養成で仲原さんらは野島記念を突破口にして、中大で生まれた起業家の卵を全国大会「起業家甲子園」へと進出させた。以下は活動のダイアリーだ。

昨年2、3月・ビジコン行脚

 昨年2月、学生団体である「Canvas+」から2人、「商学部ゼミナール連合会」から3人の有志によって、野島記念実行委員会が発足。開催する12月9日まで約10カ月の活動の始まりだ。

 自分たちのコンテストに参考になることがあるのではと思い、他のビジコンをいくつか見学した。

 2月5日・日曜日は東京・品川へ。『学生起業家選手権決勝大会』(主催・東京都中小企業振興公社)。選考は第一次から第三次まであり、その上に決勝大会。優勝賞には賞金50万円が用意されていた。10回目の開催だった。

 18日・土曜日は横浜市西区へ。『横浜ビジネスグランプリ』。こちらも賞金が出て、最優秀賞グランプリには20万円。

 コンテストには懇親会があり、本気で起業を目指す学生や審査員として参加している若手・中堅経営者と交流できる。さまざまな経験談を聞き、自分たちの理想の大会像を構想した。

 知り合ったなかに独立行政法人・情報通信研究機構勤務の中大OBOGがいて、全国大会『起業家甲子園』の主催者でもあった。野島記念優勝者(グループ)が全国大会に出場できる道筋をつくってくれた。

4、5月・議論百出

 運営企画を練り始めた。昨年度の反省を踏まえながら、自分たちのコンテストのよさや独自性を忘れないことを心がけた。昨年度、私たちは発表者として出場していた。

 今年度のコンセプトや大会スケジュールから審査基準や予算まで、メンバーで議論を重ねた。議論百出、多摩キャンパス閉門時刻の23時まで大学に残る日々が続いた。

6月・トライアンドエラー

 実行委で話し合ってきた企画案を「Canvas+」と「商学部ゼミナール連合会」のメンバーを交えた合同会議にて議論する。

 各団体のメンバーから、企画書に関して実行委では気付かなかった数々の問題点を指摘され、改善を求められた。

 指摘された点を実行委で再度話し合い、合同会議で再び議論するといったトライアンドエラーを繰り返し、自分たちのコンテストの骨組みとなる企画案がようやく完成した。ここまで3カ月かかった。

7月・ペガサス

 参加を呼び掛けるエントリーを9月から始める。そのための広報活動を本格的に開始した。コンセプトの「NEXTSTAGE」に合わせ、モチーフをペガサスに決定。次のステージへ羽ばたいてほしいという想いを込めた。ポスターやフライヤーなどのデザインに使用した。

 商学部の授業「起業家入門」では、先生のご協力で少し時間をいただき宣伝してきた。授業で宣伝活動をするのは初めてだ。

8、9月・審査員になってください

 野島記念のゲスト審査員を依頼するため、先方の会社に行って企画説明を行う。リストアップした中から数社を訪問した。ぎごちなかった名刺交換や企画説明も回を重ねるうちに慣れていった。審査員は引き受けてくれる方がいなくて苦悩した。

 9月には、中間報告と当日の講演依頼のため、横浜みなとみらいの高層ビルの本社に野島社長を訪ねた。中大生への熱い期待を感じ、コンテストを成功させるべく決意を新たにした。同社長には「中央は法曹界、会計分野、スポーツでも活躍している。ビジネスでも大活躍する人材が出てほしい」とハッパをかけられた。

 夏休みに入って、実行委に1年生が2人参加し、計7人の活動になっていた。

10月・総勢150人が参加する

 夏休み明けと同時にエントリーが始まり、一気に慌ただしくなった。多摩キャンパスだけでなく、後楽園キャンパスへ足を運んで広報活動を続けた。

 その甲斐もあり、エントリーは48チーム、参加者約150人となった。

 予選開始までに初参加者を対象とした「Pre-Award」(事業計画書作成講座)やプレゼン・スキルを学ぶプレゼンテーション講演会を行い、個人のスキルを上げ、コンテスト全体のレベルアップになるよう努めた。予選は第1次が11月11日、第2次が25日。

 なかなか決まらなかった審査員だが、多くの人の紹介を受け、出席していただく目処がついた。協力をいただき感激した。

11月・あわてた

 予選の準備にかかる。参加者に求めたプレゼン資料提出の締め切り日を予選前日に設定していたため、当日までに印刷が終わらず、開始時刻ギリギリまで印刷した。

 ビジネスプランをブラッシュアップして、実際のビジネスに少しでも近づけてもらうよう、参加者が審査員からフィードバックをいただく時間を設けた。

12月・いよいよ当日

 12月9日はいよいよ野島記念(決勝)。会場は多摩キャンパスCスクエア中ホール。入念な準備が必要と思い、表彰式ではムービーや音響などを使い、受賞者をより引き立てるような演出を考えた。普段使い慣れていない機材をフル活用するため、リハーサルを何度も繰り返した。

 スケジュールは12時半からの受付に始まり、夕方5時すぎの閉会式までぎっしり詰まっている。午後2度のプレゼンのほか、野島社長による記念講演会を行った。

 講演の中にあった「失敗のすすめ」という言葉が印象的だった。終了後には懇親会を開催し、参加者や審査員と野島記念を振り返る話に花が咲いた。

 私たちも失敗をしてきた。失敗のなかから、改善策が生まれた。おかげさまで参加は48チーム、総勢約150人。聴衆は100人を超えた。活気に満ちた会場で、われわれの顔も紅潮していた。

メンバー表
名前 学部・学年 出身高校 出身地
内山 有希 商学部3年 県立筑紫丘高 福岡県
木下 英拓 商学部3年 文星芸術大付高 栃木県
久保野谷 なるみ 商学部2年 都立武蔵野北高 東京都
古林 美穂 商学部3年 中大附高 東京都
高村 美采希 商学部2年 県立川和高 神奈川県
仲原 知輝 商学部3年 都立国立高 東京都
分部 由莉子 経済学部3年 中大附高 東京都