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トップ>HAKUMON Chuo【2013年早春号】>【卒業の日に――贈る言葉】チャレンジャーであり続けよう

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卒業の日に――贈る言葉

チャレンジャーであり続けよう

石井 洋一(いしい・よういち)/理工学部長

石井 洋一

 ご卒業おめでとうございます。学生生活を終え、新しい世界へ飛び出そうとしている皆さんに心からのお祝いを申し上げます。

 皆さんが理工学部での学業を進める間に、わが国の社会にはさまざまな変化がありました。経済的な混乱や社会の不確実さを前にして、将来への漠然とした不安を感じている人もあるでしょう。しかし、社会や経済の変化はこれまでも繰り返されてきたことであり、また将来もたびたび起こるはずのことです。皆さんはそれを自分の手で乗り越えていかなければなりません。チャレンジャーにとって最も大事なことは、新しい環境や新しい仕事に対して、常に学ぶ姿勢を忘れないことです。

 皆さんが大学へ入学したときのことをちょっと思い起こしてみてください。高校とは違う環境で、新しい学問を始めることに戸惑ったのではないでしょうか。その変化を乗り越えてステップアップし、皆さんは卒業を迎えたのです。それと同じで、社会に出るこの春も、またこれからの長い社会人生活の節目節目でも、新しい環境で新しい仕事をするという経験を皆さんは何回となくすることになるでしょう。それまでと異なった環境が与えられれば、そこで新しいことを進んで学び、努力して自分の能力を高めていくことは、これからもずっと求められるし、それが一人ひとりのステップアップにつながる道なのです。ですから、大学を卒業することは、学びを終えることではありません。これまではカリキュラムに従った学習でしたが、これからはそのような決まりごとはなくなります。自由な学びということもできますが、何をどのように学ぶのかもすべて自分で決めなければなりません。

 そうはいっても、別に恐れる必要はありません。皆さんには、理工学部で培った「学ぶ力」があるではありませんか。理工学部で学ぶ間、皆さんは理工学の研究の仕方、問題の解決の仕方というものを経験したのです。その取り組み方や考え方は、社会で出会うであろうさまざまな問題に対しても通用するものです。理工学部ですごした時間を、大変だったけれど充実していた、そんなふうに思えるなら、きっと皆さんはこれからの荒波を乗り越えていけるだけの力を身につけているはずです。自信を持って未来の課題にチャレンジし続けてください。精一杯の活躍を祈ります。