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トップ>HAKUMON Chuo【2013年早春号】>【卒業の日に――贈る言葉】行動する知性を発揮して活躍を!

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卒業の日に――贈る言葉

行動する知性を発揮して活躍を!

福原 紀彦(ふくはら・ただひこ)/総長・学長

福原 紀彦

 卒業おめでとうございます。この度、中央大学の学位記を取得される皆さんに対して、在学中の研鑽と健闘を讃えるとともに、中央大学の卒業・修了をお祝い申し上げます。皆さんは、中央大学でのさまざまな学びと活動と交流により、多くの知識と技能を獲得し、それらを知性へと発展させてきました。そして、今、大学を卒業し、それぞれに活躍の場を求めて、その知性を社会で発揮すべく大きく羽ばたこうとしています。皆さんの発展と活躍を心から期待し、御健勝を祈ります。

 記録によれば、中央大学では、英吉利法律学校としての創立以来、卒業式が本年度末で第130回を数えます。創立128年にして卒業式が130回となるというのは、創立の翌年には編入生の卒業式があり、また、社会情勢を受けて1年に2度の卒業式を開催した年が2年あったからです。それら各回の卒業式で授与された卒業証書・学位記には、それぞれの時代を反映して、大学を卒業することの意義と社会からの期待が込められていたはずです。では、130回目の卒業式で皆さんが手にされる中央大学の学位記には、どのような社会的な意義と期待が込められているのでしょうか。

 現代社会は、地球規模で有限の資源と環境保護のあり方を考え、さまざまなシステムを見直して、持続可能社会を構築しなければならない時代を迎えており、日本でも、グローバル化の著しい進展によって社会構造が激しく変化しています。そして、日本では、少子高齢化のもとに多くの人が大学教育を受ける傾向すなわちユニバーサル化が進んでいます。

 『實地應用ノ素ヲ養フ』ということを建学の精神とし、今日では「行動する知性」をユニバーシティー・メッセージとしている本学は、いつの時代であっても、社会と向き合い、社会とともにあって、社会を変革し社会を支えるために有為な人材を輩出してきました。現代の日本の大学には、研究と教育という伝統的な機能とともに、社会連携や社会貢献という機能が強く求められていますが、本学は、創立のときからすでにそのことを大切にしてきたということができます。そして、今日では、FLPやインターンシップ、グローバル人材育成、ボランティア活動支援、地域貢献等、時代と社会の要請に応えています。そうしたなかで、皆さんの在学中の学びと活動と交流がありました。卒業生の皆さんが手にされた学位記は、所定の単位を取得して課程を修了した証しであるとともに、中央大学の建学の精神にもとづく歴史と伝統を引継ぎ、現代社会で知性を発揮できることができる能力の証しでもあるのです。

 卒業生の皆さんには、中央大学の卒業生であるという誇りと自信をもって、これからの人生を着実に歩まれることを祈っています。そして、また、いろいろな機会に、母校に戻って来て下さい。この時期に巡り会った人間関係、これから巡り会う人間関係を大切にして、元気にご活躍下さい。皆さんのご健康とご活躍を心から祈念して、お祝いご挨拶と致します。