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トップ>HAKUMON Chuo【2013年秋号】>【スポーツ】中大応援団がパナソニック応援団を応援

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スポーツ

中大応援団がパナソニック応援団を応援

社会人野球都市対抗大会 東京ドーム

ユニホーム姿でパナソニックを応援する本城団長

中央大学応援団が社会人野球の最高峰「都市対抗大会」(東京ドーム、7月)に出場したパナソニック(大阪・門真市)の応援ステージに立った。
企業応援団を応援するのは異例のことだ。

 パナソニックからの協力要請に応えたもので、中大応援団が珍しく東京ドームに姿を見せた。

普段は学生服で応援(写真右)

 初戦は7月15日午後2時開始の第2試合、パナソニック―三菱自動車岡崎(愛知)。試合前、パナソニックの阿部亮平応援団長が三塁側スタンドを埋めた観客に「きょうは中央大学応援団とともに応援します」と、あいさつしても反応は意外なことに鈍かった。

 日ごろ神宮球場で中大応援団を見ているファンも目をこらす。学生服姿を探すが、見当たらない。

 本城亜利架団長(経済学部4年)らメンバーは、パナソニックのウェアを着ていた。同社野球部やサッカー部と同じ青&黒のストライプ・デザイン。サッカー日本代表、遠藤保仁(やすひと)選手がガンバ大阪で身にまとうウェアと同じである。

 スタンドは三塁ベンチ付近から左翼席まで社員・家族、関係者らで超満員。一同がスティックバルーンを両手に持って、バンバン鳴らす。ブラスコアーがスタンド中央の特設ステージで演奏し、応援する人を活気づける。

 2回裏攻撃時、本城団長がステージに立った。神宮の応援ステージの3倍の広さがある。

 「私は中央大学応援団長の本城亜利架、帰国子女である。大好きな言葉があります。
 ア ベター ライフ
 ア べター ワーク
 パナソニックのキャッチフレーズと同じです」

 元気のいい、ポニーテールの女性応援団長のスピーチに観客席がどっと沸いた。

 沸いたところで「ああ中央の若き日に」(中央大学応援歌)を歌い上げる。

 ♪力 力 中央 中央…。

 十八番の♪チャンスマーチも奏でた。

 中大応援団の見せ場である。しかし、中大らしさはここまで。この後はパナソニックの応援スタイルに合わせた。中大には絶対にない、「ダッシュ慶応」、「大進撃コンバットマーチ早稲田」、「ダイナマイトマーチ東大」などを次々に展開。

 野球漫画のタッチ、ピンクレディのサウスポー、爆風スランプのランナーと続く曲も中大応援団には初体験。団員はランナーの♪走る♪走るというフレーズで、腕を振って疾走するさまをコマ送りのように演じる。曲が変わるたびにパナソニック応援団や同社と交流のある関西大学応援団と3交代でステージに上がる。

 都市対抗には応援団を評価する「応援団コンクール」(主催・毎日新聞社)がある。最優秀賞、優秀賞、敢闘賞、特別賞とあり、賞獲得を目指して、応援団同士で火花が散る。その熱気は中大にも伝わってくる。

 デーゲームとはいえ、東京ドームはカクテル光線に照らされ、中大メンバーの表情は輝きを増している。楽しい思いは子どものころの遠足か中高生で経験した初デート(!?)か。

 得点すると、中大では♪あこがれ高く 空ひろく…と肩を組み、応援歌を歌うが、ここではステージ各所から噴霧が出て、パナソニック所在地「河内音頭」の上り旗を持って右に左に動きまわる。まるでお祭り騒ぎ。「楽しいですよ」中大勢はまたしても笑顔だ。

足がパンパン

 事前練習を念入りにしていた。6月末と7月初旬の日曜日に2度、横浜市の同社施設で午前10時から午後5時まで、パナソニック・スタイルを習得した。

武井副団長

 同社応援団長は東京六大学出身者が多く、阿部団長が早大、前任者が慶大だった。応援も東京六大学スタイルに倣う。中大勢には初体験。苦戦するメンバーの中にあって、武井勇樹副団長がすいすい覚えていった。

 本城団長は「練習初日の夜は足がパンパンに張って大変でした」と苦笑い。覚えたところで下見へ出かけた。都市対抗第3日の14日・日曜日、東京ドームを訪れ、阿部団長らに説明を受けながら、NTT東日本―東邦ガス戦の応援を見た。

 「きれいな球場に観客がいっぱいいて感激しました。こんな素晴らしい場所で応援できるなんてうれしい。都市対抗も社会人野球も初めて見ました」と本城団長。「学生とプロの応援の間ぐらいですね」と続けた。社会人野球は以前、ノンプロ野球とも呼ばれていた。本城さんは看破した。

 パナソニックへの応援は都市対抗大会期間中続いた。1回戦に勝ち、2回戦の日立製作所(茨城)にも勝ち、準々決勝で新日鉄住金かずさマジック(千葉)に敗れた。中大応援団の登場は3試合で終わったが、大きな収穫があったという。

 「社会人野球の応援を知り、学ぶことで、伝統の中大応援を再認識しました」と本城団長。これまで中大の諸先輩からは「中大らしく、東都大学らしく、六大学と違った応援をしよう」と言われてきた。今回の体験で他団体、他大学にはない伝統の中大らしさを強く意識したという。

 この秋、中大応援団がパワーアップしている。

応援コンクール

最優秀賞
東京都(JR 東日本)
優秀賞
川崎市(東芝)
敢闘賞
君津市(新日鉄住金かずさマジック)
特別賞
石巻市(日本製紙石巻)