そろそろ本格化してくる就職活動、みなさん、準備はできていますか。みんながみんな、初めての経験なので戸惑いも多いはず。そこで本誌3年生の学生記者が、就職活動を終えたばかりの4年生に日ごろなかなか聞けない就活の実態を直撃インタビューした。
――面接ではどんなことを聞かれましたか
Aさん サークルとゼミ活動について聞かれました。
Bさん 私はシートに書いた上海旅行とアルバイト先のテーマパークの仕事内容を話しました。
Cさん 学生時代に頑張ったことは何ですか、という質問が多かったかな。
Dさん 僕も頑張ったことをよく聞かれました。で、頑張った焼肉屋のアルバイトの話をしました。
――就活中、忘れられない一言は
Aさん 面接官に言われた、「あなた、緊張してなさそう」です。ちなみにここの面接は落とされてしまいました。常に笑顔で堂々としていようと思っていたのですが、真剣味がないようにとられてしまったみたいです。
面接で企業はどれだけ出来たかではなくどれだけ成長するかを見ているので、変に造り込むより、真っ白がいいと痛感しました。それ以来、いつも笑顔でいるのはやめました。
「ええ!? 笑顔でいたらいいってもんじゃないんですね…。就活って奥が深い」
Bさん 私は、言葉ではないのですが、適性検査の結果で「精神的にタフ」とみなされました。タフというのは意識したことがなかったので、就活中に強く背中を押されました。
「就活を通して、自分の見えていなかった一面を知ったんですね。まだ発掘していない自分を掘り出すなんて、なんだかおもしろいですね!」
Cさん 僕は、面接官に言われた、「君、映画監督になりなよ!」です。映像関係の仕事がしたかったのでうれしかったのですが、その面接は落とされてしまいました。結構手ごたえ、あったのにな…。
Dさん Aさんと似てますけど、「もっと緊張しなよ」って言われました。
Aさん え!?
Dさん 役員面接で3対3。僕だけ言われました。でも受かりましたよ。
Aさん え~!? なんで!?(笑)
「うーん、同じことを言われたのに、落ちてしまったり、受かったり…。やっぱり奥が深い」
――続いて、身だしなみについてお聞きします。面接時、服装や髪形で気をつけていたことは
Aさん 私は、入りたい会社ほど、電車の中では座らず、立つようにしていました。
――え? 立つ??
Aさん スーツに皺がつくからです。それから、面接の始まる30分前には必ず最寄駅に着いて、後れ毛が1本も出ないように髪を整えました。
――す、すごい! 徹底していますね
Bさん 私はお化粧を薄めにして、チークの色を、ピンクからオレンジに変えました。ピンクだと遊びに行く感じがしてしまうし、オレンジのほうが「できる女」っぽいかなって。
Aさん あ、でも、オレンジのチークが似合わなかったり、ナチュラルなブラウン系のアイシャドウをすると、逆に疲れたように見えてしまう人もいるので要注意です!
――えー!? そういえば私、一重なので濃いシャドウは似合わないって言われたことあります…。一体どうすれば…
Aさん デパートとかのちょっと高めな化粧品売り場に行くと、無料でカラー診断をしてもらえますよ。
――カラー診断??
Aさん 肌や顔の雰囲気から、店員さんが似合うチークやアイシャドウの色を選んでくれます。
――そうなんですか!? でもそれって、高い化粧品を買わなきゃいけないんじゃ…
Aさん ううん、「検討しますっ!」で大丈夫(笑)。
――大人の処世術ですね。髪形はどうしていましたか
Bさん 周りはハーフアップの学生が多かったけれど、私はそれじゃあ受け身に見えてしまうと思ったから、ポニーテールにしていました。
Aさん 髪をまとめるとき、ピンのつけすぎは印象が悪いそうなので、気をつけてくださいね。
「ピンにまで気を使うのかぁ・・女の子って大変…」
――男性陣の身だしなみは
Cさん 僕の希望する職種は、私服での面接が多かったです。
――私服?! じゃあ奇抜な恰好で行ったんですか?
Cさん 全身を蛍光色で決めている人もいましたが、僕はシャツにチノパンみたいな、いつも通りの服装で行きました。
――その方が自分も落ち着きますもんね。Dさんは
Dさん スーツでした。毎年、ネクタイは何色系がいいとか、スーツは黒とか、いろんな情報があるようです。就活をしていて思ったのが、「企業はそんなに見ていない」ってことです。
最低限のことがきちんとできていれば、それでいいんです。黒のスーツじゃないから、とか、ネクタイが○○色だからとか、そんな理由で落とすことってありえないですよ。気を遣うことは大切ですが、神経質にならなくても大丈夫。僕も最後の方の面接は、黒じゃないスーツで臨みましたよ。だってその方が、目立って覚えてもらえるじゃないですか。
「そうか、きちんとしていれば、色や形にこだわる必要はないってことですね!!」
――就職活動中、悩んだり落ち込んだりすることもあったかと思います。支えてくれた人はどなたですか
Aさん 母でした。母は面接官と同じ世代。「この言い方、このアピール、どう思う」と聞いたとき、悪い面もきちんと伝えてくれるのでとても助かりました。
Bさん 私も母に支えられました。多くの企業を受けていると落ちることもたくさんあるんですよね。そんなとき「自分にとっても企業にとっても『いいな』が内定。きょう落ちたのは、自分に一番合う企業に出会うまでの過程だよ」と励ましてくれました。
――なんだか感動的…。母親って偉大ですね
Cさん 僕は同じ道を志していた友人です。落ちたときに「俺たちにはでっかい夢があるんだから、こんなことで悩むなよ」って、お酒飲みながら励まし合っていました。募集人員の少ない職種なので、決まるか本当に不安だったんですが、「本気でやりたいなら逃げ道なんて作っちゃダメだ」って。
――男の友情!
Cさん まぁその友達は地元の地方銀行に受かって、あっさり方向転換しましたけどね。(一同、爆笑)
Dさん 僕は説明会で出会った社員さんです。説明会のとき、質問しに行ったら激励されました。残念ながら落ちましたが、その社員さんは「1次選考を通った学生より、君の方がいいよ。紙切れ1枚じゃ、人間はわからない」と。自信喪失していたので、救われました。
「社員さんとの素敵な出会い…。就活は一期一会ですね」
――これから就職活動をする3年生に、今からやっておいた方がいいことを教えてください
Aさん SPI!早いうちからやっていないと、間に合わなくなります。資格を取っておくのもいいと思います。
Bさん SPIを押すのはもちろんなんですが、「たまてばこ」というWebテストがあって、それもきちんとやって
おくことをお勧めします。
Cさん 僕も「たまてばこ」の対策だと思います。Webテストで落ちると、面接官に会わずに終わってしまうので、とても悔しい思いをします!
Dさん 僕は働くイメージをつけるため、インターンに行くのもよいと思います。
――インターンやWebテスト対策は、直前じゃなかなかできないですもんね…。ありがとうございました
- SPI
- リクルート社が開発した適性検査。コミュニケーション力や計算力などが試される
インタビューを終えて
就職活動を終えた先輩たちは、1年しか年が違わないのに、とても大人に見えました。3年生の皆さん、これから苦難も多いとは思いますが、お互い頑張りましょう!
学生記者 関いづみ(文学部3年)
就職活動の新ルール
就活のスケジュールが変わった。
経団連は2016年春に入社する予定の学部2年生に新ルールを設けた。企業の採用活動時期を現行の学部3年生の12月から、3月へ繰り下げた。面接などの採用選考開始も4年生の4月から8月となった。