トップ>HAKUMON Chuo【2012年冬号】>【ニュース&中大ニュース】中央大学国際連携推進機構設立記念 日本IBM創立75周年記念講演会 「ITと創る賢い地球の未来」
11月17日、後楽園キャンパスにて、中央大学国際連携推進機構の設立と日本IBM創立75周年を記念する講演会が実施された。集まったのは中大教職員や学部生、大学院生をはじめ、他大学の学生や一般参加者ら総勢130人。会場は用意されていた席数以上の人数で通路も塞がるという大盛況ぶりだった。
開会に先立ち、加藤俊一副学長より「大学の最大の仕事は教育であり人材育成。日本IBMには、段階的コンピテンシー育成プログラムや、男女共同参画・理工系女性を応援するWISEプログラムなどで、大きくご協力いただいている。今回選んだ講師の先生方は、研究開発、ビジネスの最前線で世界を飛び回っている人ばかり。情報発信型のコンセプトリーディングカンパニーであるIBMの話のみならず、広い世界から直接話が聴ける貴重な経験になるので、皆さんには多くを学びとってもらいたい」との挨拶があり、3部構成の講演会はスタートした。
学生を交えての情報交換会
第1部では、「世界一のクイズ王から医学王へ―― 質問応答技術とITの未来――」と題して、IBM東京基礎研究所技術理事であり、情報学博士の武田浩一氏が、アメリカのクイズ番組「Jeopardy!」に登場し勝利したIBMの質問応答システムWatsonと、Watsonの医療診断への応用について紹介した。
続いて第2部では、「ITが支える回復力のある街づくり――スマーター・シティ&レジリエント・シティ――」と題して、同じくIBM東京基礎研究所所属の工学博士、渡辺日出雄氏が講演。昨年の東日本大震災後、特に注目されている、緊急時の状態からいち早く通常状態へ回復できる能力(レジリエンス)について、IBMが取り組む緊急時と通常時の両方に対応したスマートな都市を実現するためのIT技術(気象予測、交通シミュレーションなど)を紹介した。
以上1・2部では、情報系に限らず、都市環境、経営システム、電気電子、化学、生命科学を学んでいる学生にも関連する話題をIBMの当該プロジェクトリーダー級の研究者が直接わかりやすく講演した。
3部では、前半とは少し内容を異にして、「グローバル社会、グローバル企業における人材、リーダーシップ」について、マネジメントや人材育成の立場から、システム・テクノロジー開発製造担当執行役員である坂上好功氏が講演し、未来のグローバル社会を担う参加学生に、「“負けない”よう主張することが大事。迫力で頑張ってほしい」と締めくくった。
最後に、同社マーケティング&コミュニケーション担当で執行役員のジョン・ロビソン氏の閉会の挨拶があり、「日本は世界でも有力な国。世界市場で競争力が日本ほどある国はほとんどない。君たちは上昇世代であり、若く、利口で賢い未来。これまで日本は世界で差別化を図ってきたが、これからは君たちが日本人として世界に、国際的に貢献していくことを願っている」と、技術大国である日本の未来を担う学生にエールが送られて講演会は終了。その後、IBMの講師・社員を交え、本学学生を対象とした情報交換会(懇談の部)が、7つのチームに分かれて実施された。
参加した学生たちは、飲み物を手に、リラックスした雰囲気の中で、グローバル・IT企業、ダイバーシティとは何か、キャリアデザインについて、講演者やIBMに勤務している中大OB・OGとの懇談など各テーマに分かれて交流を深め、この日のすべてのイベントは終了した。