防衛省に内定した岩丸さん(写真右)
何度もアタックした官庁訪問で苦戦しました、と話してくれたのは、厚生労働省に内定した淺野優歩さん(法学部法律学科)と多田静香さん(公共政策研究科)だ。
最初の面接では深みがないと指摘された。改善策はこうだった。相談会やアルバイト、NPO参加などで自分を見直す。面接では自分の強みだけでなく相手の立場で話す。なぜ自分がこの職を目指すのか。根本的気持ちを強く持つ大切さを見出した。
同じく厚労省内定の菅野喜之さん(法学部法律学科)は「日本とは、国家とは。そんなことを言える人になりたい」と弁護士志望から国家公務員へ。
国税庁に内定した久田訓寛さん(法務研究科)は国家公務員の魅力をこう語る。「弁護士は事件が起きてから解決に乗り出しますが、国家公務員はそんなことが起こらないために活動する。その違いに惹かれました」
実力で戦ってみろ
東大・京大には負けない
祝賀・激励会に出席した先輩たち
防衛省に内定した岩丸栄樹さん(法学部政治学科)は、高校時代から国家公務員、とくに警察庁に関心があったが、中大入学後に国際的な視野を持つようになり、人々を守る防衛省を志した。
国税庁内定の清水光さん(法学部法律学科)は祝賀会で「自己研鑽に励み、国の根本に関わりたい」と意欲を見せた。平井貴大さん(公共政策研究科)は省庁改編後、中大初の経済産業省内定者である。大切なことを尋ねると、「ブレないことに価値はない。今の社会は平気で物事がひっくり返る。初志貫徹は大切だけど、そこに至るまでのすべてをがんじがらめにする必要はありません」との答えが返ってきた。
祝賀会で感じたのは、中大の「繋がりの強さ」と「教育の質の高さ」である。法務省出身で弁護士の中津川彰氏(1958年、中大法学部卒)は、中大生の中には東大生や京大生に引け目を感じている者がいるが、「実力で戦ってみろ。絶対に負けない」と激励した。取材した多くの先輩が、官庁訪問では自分自身を見てくれるので、素直にありのままの自分を表現することが何より大事だ、と証言した。
国家を繋ぐリレーにまた新たな先輩が加わった。先輩方の活躍を応援します。
(学生記者 矢嶋万莉子=法学部2年)