トップ>HAKUMON Chuo【2012年冬号】>【就職支援の会】女性が働きやすい会社は男性も働きやすい~女性白門会主催~就職支援の会 「集え!! 就職レディ!!」
女性白門会による女子学生のための就職支援の会『ウイングの会』が11月10日、中大多摩キャンパスで開催された。女性白門会は中央大学学員会支部の1つで、中大卒業の女性たちで構成されている。毎年、女子学生を対象にした就職支援の会を開催、18回目を数えた今年のテーマは「集え!! 就職レディ!!」。これから就職するあなた! 就活に向け悩んでいるあなた! あなたのお悩みを中大の先輩が解決します! リリースにはこう謳った。
講演中の大塚万紀子さん
女性白門会会長が植野妙実子教授である関係で、FLP(ファカルティリンケージ・プログラム=総合教育プログラム)地域・公共プログラム植野ゼミの学生たちが企画・進行を担当した。
第一部では、株式会社ワーク・ライフバランスの大塚万紀子さん(中央大学法学部卒)が「新時代をあなたらしく生きるために~ワーク・ライフバランスのホント~」と題する講演をした。
2人の子供をもつ大塚さんによれば、ワーク・ライフ・バランス(以下、WLB)は仕事と家庭のバランスと一般にとらえられているが、ライフで得たインプットをワークでアウトプットするというシナジー効果を期待するものと考えるべきと話した。
女性にとっては仕事もがんばり、家庭や私生活も楽しむ、双方に良い効果をもたらすのがWLBであるという。
今の日本人の生活は、長時間労働世界第1位にもかかわらず、労働生産性は先進国最下位の状況である。WLBはそうした負のスパイラルから抜け出す鍵であり、女性が働きながらも子育てができる社会を、男性も含めた働き方の見直しを通して実現するものである。
企業にとってもWLBは、潜在的な労働力を掘り起こし、優秀な人材を獲得する手だてとなる。WLBの確立によって少子高齢社会を乗りきることも可能となる。
就活生へのメッセージで大塚さんは、WLBを重視した企業を選ぶこと、福利厚生だけの話をする企業は危ない、その制度がどれだけ使われているかをみることが重要である。
また、こんな女性になりたいというロールモデルのいる企業を選ぶこと。女性が働くことは重要で、出産によって仕事を辞めた女性と比較すると生涯賃金で5千万円から2億円もの違いがある。女性が働きやすい会社は男性も働きやすい、WLBは女性だけの問題ではないとも語った。
壇上からのメッセージ
第二部では、内定者のパネルディスカッションが行われた。三菱東京UFJ銀行( 法学部の小林さん)、FUJITSU(商学部の渡部さん)、クラブツーリズム(総合政策学部の椿さん)、プリンスホテル(文学部の岡崎さん)に就職する内定者が参加した。
ここでは、まず自分と内定先の何が合ったと感じたか、どうして内定を得たと思うか、その企業のどこに惹かれたかなどについて内定者が語った。
金融だからエントリーシートやWEBテストには通るという先輩の話を鵜呑みにした結果、上手くいかなかったという失敗談や、女子学生には必ず一度は「圧迫面接」があるけれども笑顔で乗り切った話など、貴重な体験談が語られた。
最後のテーマ、「後輩に伝えたいこと」では力強いメッセージが次々に発信された。
小林さん「やらないで後悔するよりやりすぎて後悔したほうがいい」
渡部さん「就職から逃げないこと、たった半年我慢できなければ、これからの社会人生活ずっと逃げ続けることになってしまう」
椿さん「軸がなければ企業から見透かされてしまう」
岡崎さん「妥協せずに徹底的にやりきる、何事もポジティブにとらえる、まだまだいけるがキーワード」
体験に基づいた4人の言葉は、就活生の心に響いた。
シナジー効果
経営戦略で、各部門の相乗作用を活用した効果として、利益を生み出すこと(大辞泉)
~就職情報会社のアンケート結果より~
「苦」が1位だった。調査結果で過去最高の7.4%を記録し、昨年最多の「楽」を逆転した。調査は就職情報会社「マイナビ」が2013年3月卒業予定の大学生、大学院生を対象に実施した。
「苦」の1位に関して、マイナビは企業が厳選採用を継続していること、学生には活動短期化によるスケジュールの集中、学業との両立など苦悩が大きかったとみている。
「あなたの就職活動を漢字一文字で表すと?」との質問で知られる、この調査はことしで13年目。前年ランク外の13位だった「知」が6位に上昇した。「学」は2008年・5位からの久々の登場。2つの漢字には「就活を通して社会や企業、自分自身を知り、そこで考え学んだことが自身の大きな成長に繋がったとの思いから」(同社)とみている。10位に入ったのは「運」で2003年・10位以来のランクイン。「努力しないで運は絶対についてきません」との回答が目を引いた。
【調査対象・2013年卒業予定の全国大学4年生および大学院生2年生。有効回答・1091人(内訳・文系男子235、理系男子336、文系女子239、理系女子281人)。
1人につき漢字1文字と選出理由を自由回答。調査期間は2012年7月27日~同年7月31日】