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トップ>HAKUMON Chuo【2012年夏号】>【ニュース&中大ニュース】大学院学位授与式

HAKUMON Chuo一覧

ニュース&中大ニュース

社会貢献へ大きな力
〜大学院博士学位授与式〜晴れの授与者は55人

中央大学の大学院博士学位授与式が3月22日、多摩キャンパスで行われた。2011年度に博士学位を授与された学生・研究者は、本学で学ぶ学生(課程博士)44人、学外研究者など(論文博士)が11人の計55人だった。

総長がエール

 授与式で福原紀彦総長・学長がエールを送った。「学生の、これまでのお祝いとこれからの発展祈願として祝辞を述べる」と前置きし、「博士学位授与は日ごろの弛まぬ努力の結果であるが、家族や友人同僚、指導してくれた多くの人の支援があってこそのものであり、感謝の気持ちを忘れずにいてほしい。知識や知見、研究を通して、公共性・社会性を持つ知性へと変化させ、社会貢献していただきたい」と結んだ。

歓迎します学部生

 懇親会で記者は、授与者に喜びの声を聞いた。

 鈴木洋昌さん(経済学研究科)は、川崎市役所で大都市が直面する課題を目の当たりにし入学を決意。現場と研究を両立させて、博士学位を授与した。「これまでの学びを、社会の課題へのアプローチとして生かしたい」と意気込む。

 杜埼群傑(もりさき・ぐんけつ)さん(法学研究科)は日中関係に貢献したい考えで、今後研究職に就く。「『来なくてもいい』と言われた中で、大学院へ進む学生、研究への覚悟を持ってくる学生は大いに歓迎したい」と学部生にメッセージを送った。

ベトナムからも発信

 千葉県館山博物館学芸員となる宮坂新さん(文学研究科)も同様のコメントを残した。

 「大学院に進んでも就職はとても厳しい。リスクを十分に踏まえて、それでも頑張ろうと思う学生は、ぜひ来て欲しい」。

 ベトナム出身のチン・トウイ・フンさん(商学研究科)は自国で日本語を学び、日系企業に勤務した。日本の素晴らしさに魅了されて6年前に来日。横浜市立大で修士2年を経たのち本学博士課程に。

 「親日国として知られるベトナムですが、日本の知識を持った市民は少ない。ベトナムの学生は欧米だけでなくアジアにもっと目を向けて、特に日本のもつ力を知って欲しい。市民レベルに知識を浸透させる役割を担って欲しい」

 本学商学部で外書講読を受け持つなど3〜5年間の業務後、ベトナムで研究職に就きたい意向だ。

好きなことを貫け

 山内勇人さん( 総合政策研究科)は、研究の大きなテーマにカルチュラル・スタディーズを選んだ。

 語彙定義は難しいが、「知識」を授業やテストで使うのではなく、社会と自分の関係を知るための媒体として、応用活用することを目的としている。

 「社会における言葉にしにくいものを言葉に変換する」ため研究を重ね、論文を書き続ける。

 「どんなことでもいい、好きなことを貫くべき。その方が、後に振り返って幸せだと思う」

 懇親会では、授与者を代表して宮間純一さん(文学研究科)が挨拶し、「博士をとった喜びとともに、研究者としてのスタートラインに立ったという気持ちも強い」と将来への意気込みを述べた。

 斎藤叫・商学研究科委員長が、「これから学位という資格をどのように生かしていくかが重要だ。頑張ってほしい」と授与者を激励し、懇親会を締めくくった。

(学生記者 中野由優季=法学部3年)