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トップ>Hakumonちゅうおう【2012年早春号】>【群像 それぞれの春】陸上関東インカレで3冠、MVPに輝く ロンドン五輪目指し、100m9秒台狙う

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群像 それぞれの春

陸上関東インカレで3冠、MVPに輝く
ロンドン五輪目指し、100m9秒台狙う

川面 聡大さん/法学部(東京都立高島高校出身)

杉建 陽一朗

 「河合に追いつき、抜き、勝つことが1年生からの目標でした」。川面さんは、陸上競技部での4年間を振り返りながら、まずライバルだった河合元紀選手の名前をあげた。同学年の河合選手とは、ともに大学ナンバーワンの中大短距離陣を牽引してきた仲の良い友人でもある。

 「中大に入学した時点では一番遅かった」という川面さん。高校では全国大会への出場に一歩届かず、中央大学にスポーツ推薦で入るのは難しかった。それでも「勉強も陸上もともにレベルが高い」中大への進学をあきらめきれず、大学側が入学の条件にした「日本ジュニア出場」を懸命に練習して見事にクリアし、晴れて入学を決めた。

 入学後、1年生では関東インカレやインカレで河合さんが入賞するのを悔しい思いで見ていたという。「2年生でフォームを改造し、ようやく花開きました」と当時を振り返る。「自分で考えて、何が必要かを意識するようになったんです。頭を使って走るようになりました」と自己改造を強調する。

 自分で練習メニューをたてて、自分がこうしたいと考えて走る練習をしてきた川面さんは、「走りは洋服みたい」と解説する。何が足りないかを常に考えて、これと思うのを選んで走ってきたからだという。それには1年生のときから、日頃の練習などで気付いたことを記録している手帳が大いに役に立った。

 こうした練習の成果は、見事な結果に繋がった。2010年5月の関東インカレで、3年生だった川面さんは男子4×100mリレーに2走で出場、中大チームは日本学生新記録で優勝したのだ。4年生になり、さらに大きな記録を残した。2011年の関東インカレで、川面さんは男子200mにおいて20秒56と世界選手権A標準記録を突破して優勝。男子100m、男子4×100mリレーに続く3冠を果たし、大会最優秀選手(MVP)に輝いた。

 「一番印象に残っているのは関カレの3冠です。自分のやってきたことが間違いじゃなかったと証明できた。雑草ランナーとして、頑張れば遅い選手にも可能性があるということを教えられたと思います」

 陸上競技だけではなく学業にも精を出した川面さんは、1年次には法職講座も受講。3年次からは「向上心のある人がいる環境に身を置きたい」と法科大学院進学者が多い福原紀彦教授のゼミにも所属した。

 「中央大学のグラウンドが一番好き」と語る川面さん。自宅近くにも練習できる場所はあるが、春からも1時間以上かけて中大グランドに練習に訪れる。目指すはロンドン五輪出場。「目標は100m9秒台」と前を見据え続けている。

(渡辺)