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トップ>Hakumonちゅうおう【2012年早春号】>【群像 それぞれの春】ゼミでの活動、研究が大きな自信に 入学時に掲げた充実した4年間送る

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群像 それぞれの春

ゼミでの活動、研究が大きな自信に
入学時に掲げた充実した4年間送る

矢口 さほりさん/総合政策学部(私立嘉悦女子高校出身)

矢口 さほり

 「少人数教育で、多彩なジャンルを学べる総合政策学部に魅力を感じました」。こう語る矢口さんは入学時から明確な目標をもって大学生活に臨んだ。それは「ただ大学に『居る』だけという4年間にしない」ということだった。

 そう考えて矢口さんが積極的に取り組んだのは、2年生の4月からはじめたゼミ活動だ。総合政策学部の中でもとくに忙しく、厳しいといわれる細野助博教授のゼミに身を投じ、演習テーマである公共政策の問題に取り組んだ。

 公共政策とは、「町づくり」を検証していくというもので、ゼミでは「企画」「課外活動」「論文制作」など様々なプロジェクトを行い、且つそれぞれが連携して活動し、その中心となる活動は、キャンパスの外に出て、実際に「町づくり」に携わることだ。

 矢口さんのゼミでは大学近隣の町の商店街のイベントを手伝うとともに、ワークショップを主催して商店街の問題点について町の人々と話し合った。このワークショップでは、事前に予測していた問題点だけでなく、商店街の方々の生の声を聞くことで、初めて知ることができた問題点もたくさんあったという。

 「イベントのお手伝いや商店街の人々と接していくなかで、私たち学生に対してはじめは好意的な方ばかりではなかった」というが、何回も足を運んでいくうちに、「次第に心を開いて接して下さるようになったのが嬉しかった」と振り返る。「大学にいるだけでは知ることのできないことや、普段関わることのできない社会の方々と接して学んだことは大きかった」と活動の成果を強調する。

 3年生になると活動は益々本格化し、論文の制作も始まり、1週間のうちゼミに行かない日はないというくらい忙しい毎日だった。10月に岐阜県で行われた全国の大学生による「公共政策フォーラム」で、矢口さんは細野ゼミを代表して論文の研究発表を行い、見事準優勝を果たした。

 「ゼミの仲間との論文作成は、チームで協力して何かを遂行することの難しさ、大切さを教えてくれました。それから、『君たちに成功は求めていない』と失敗に関係なく様々なチャンスを与えてくれた細野先生にはとても感謝しています」

 大学生活で一つのことを真剣にやり遂げた経験は、大きな自信になり、就職活動では4年の5月に金融機関の内定を得た。「大学生活、そして就活で後悔しないためには、フットワークを軽くして人より一歩でも多く足を運んで情報を得ることが大切。このことを教えてくれたゼミは生涯の宝物です」。そう語る矢口さんの表情は悔いのない大学生活をおくれた充足感にあふれていた。

(熊谷)