「ゼミを通して一つのことをやりとげたことで、頑張ってきたことを形として残せたという満足感があります」。こう語る島さんが、形にして残したというのは、2011年12月3日に開かれた商学部演習論文大会のプレゼンテーション部門で学部長賞を受賞したことだ。審査員の教授陣を含む聴衆約30人の前で、島さんは卒論テーマの「日本企業における現金保有の決定要因」について20分間のプレゼンテーションを行った。
商学部演習論文大会は、プレゼン部門と論文部門がある伝統のある大会で、歴代のゼミの先輩方が参加していたこともあり、掲示板の案内を見て、自らエントリーし、晴れて受賞に輝いた。
島さんは3、4年生の2年間、本庄裕司ゼミで企業の経営戦略を学んだ。3年生ではグループワークを行い、9月の夏合宿と12月の演習論文大会の年に二つのイベント参加が、大きな目標になった。その経験を土台に、4年生では卒論に取り組んだ。
「3年生の時は勉強が大変でしたが、周囲から刺激を受けるグループワークは楽しかった」と振り返る。一方、4年生では、卒論執筆のために「全てを一人でやらなければならないという新たな苦労に直面した」という。「途中で投げ出したくなるほどでしたが、メリハリのついた生活を意識するようにしました」と自己管理も怠らなかった。
そんなとき後押ししてくれたのが、本庄教授やゼミ生だったという。「先生にはいつも的確なアドバイスをいただきました。ゼミ仲間からは頑張ろうという気持をもらいました。学部長賞を受賞できたのは、周りの人たちのおかげです」と感謝の気持ちを忘れない。
もともとプレゼンは苦手だった。あがり症で手が震えてしまうため、グループ発表を大人数で行うところから、一人で発表する場へと、段階的に自分自身を慣らし、聴衆の数も回数を重ねるごとに増やしていった。「今でも緊張はしますけど、回数を重ねて経験を積めば何とかなると思えるようになります」と語る。
ゼミで養ったチームワークとプレゼン能力は、就活でも大いに役立った。グループワークでの「様々な意見を聞いたのちに、方向性がずれないように意見をまとめる」という経験が、就活中のグループワークでも活かせ、「困ることはなかった」。限られた時間で話すことを求められた時も、プレゼンでの経験を大いに活かせた。
「大学4年間ではやってみたいこと、気になることに、自分から積極的に挑んでほしい。頑張れる場所を見つけることが大切です」と力強く語る島さん。4月からは、山梨県の地方銀行で社会人としての一歩を踏み出す。
(三島)