Chuo Online

  • トップ
  • オピニオン
  • 研究
  • 教育
  • 人‐かお
  • RSS
  • ENGLISH

トップ>HAKUMON Chuo【2012年秋号】>【ロンドン五輪総括】銀メダル 獲ったどおく

HAKUMON Chuo一覧

ロンドン五輪総括


銀メダル 獲ったどお

ロンドン五輪
フェンシング男子フルーレ団体 銀メダリスト
千田 健太選手(2009年文学部卒業、ネクサス所属)

ロンドン五輪フェンシング男子フルーレ団体で銀メダルを獲得した千田健太(ちだ・けんた)選手=2009年文学部卒業、ネクサス所属=が念願のメダルを首から下げて中大に帰ってきた
(9月20日夜、中央大学駿河台記念館)

祝勝会

 日本フェンシング界で史上初の団体種目メダル獲得だ。中大フェンシング部にとっても史上初のメダルである。同部 は関係者への案内に「ロンドンオリンピック報告会兼祝勝会」と銘打った。祝勝会に万感の気持ちがこめられている。

 日本選手団着用の「赤のブレザーと白のズボン」の制服を着た千田選手が壇上に立つと、大きな拍手と歓声が上がった。

 「高校時代はインターハイで個人3位とパッとしない成績でしたが、中央大学に入学したことが僕にとって大きなターニングポイントになりました」

 在学中、前回の北京五輪にも出場。個人フルーレに出場したが2回戦敗退と悔しい思いをした。「中央大学に来ていなかったら、今この場に立っていなかったかもしれません。与えられた環境を活かしてこれからも頑張っていきたいと思います」と今後の意気込みを語った。

 懇親会に入ると、メダリストを囲んでの記念撮影が会場のあちらこちらで行われ、人気者の千田選手は食事もままならないほどであった。


父・健一さんと

 父・千田健一さん(1984年卒、モスクワ五輪代表)=宮城県本吉響高校校長=が登壇する場面もあり、「中央大学に息子を入れてよかった」とメダリストを隣に立たせて誇らしげに語った。健一さんも中央大学フェンシング部の卒業生だ。1980年モスクワ五輪の代表選手であったが、日本がボイコットをしたため、五輪には参加できなかった。あの無念さはこの夜、晴れたのだろうか。健一さんが満面の笑みで話す姿を見て、千田選手がメダルを獲得したことはこれ以上ない親孝行なのではないかと記者は思った。

千田選手の活躍でメダル獲得


 今回、監督を務めた岡崎直人監督(1992年卒、2000年シドニー五輪代表)と江村宏二コーチ(1984年卒、1988年ソウル五輪代表)が相次いでマイクを握った。

 岡崎監督は「初戦の中国戦、準決勝のドイツ戦で活躍したのは、実は千田選手であることを皆様には理解していただきたい」と訴えると、会場からは「そうだ」と賛同の声が上がった。

 久野修慈理事長(学員会会長)はあいさつで「メダルを獲得したことによっ て、気仙沼に本当の意味での復興の旗があがったのではないか」と東日本大震災で被災した千田選手の地元、宮城県気仙沼市を気遣った。続いて福原紀彦総長・学長が「中央大学のユニバーシティーメッセージ『行動する知性。』を千田選手が見せてくれた」とその健闘をたたえた。


福原総長・学長と

 千田選手は、大会を控えた現役学生を前にして「大会が続きますが一試合、一試合、ワンチャンスだと思って頑張ってください」と応援の言葉をかけた。

 その後、全員で校歌と応援歌を大合唱して会は幕を閉じた。

(学生記者 荻原睦=法学部4年)

フェンシングでのメダル
2008年北京大会で、太田雄貴選手が個人フルーレで銀メダルを獲得した。