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講演会、民族楽器演奏など多彩なイベント開催
中央大学の国際化を進め、学生の知的好奇心を喚起するとともに、より活気あるキャンパスの実現を目指して、イギリスをテーマにしたインターナショナル・ウィーク(10月17日~21日)が多摩キャンパスで開かれた。インターナショナル・ウィークは今年6月のフランスに続いて2回目。期間中、ディビッド・ウォレン駐日英国大使講演会はじめスコットランド民族楽器演奏や国際シンポジウムなど、多彩なイベントが行われた。
3人のプレゼンターによるシンポジウム
「イギリスにおける日本」をテーマにしたシンポジウムが10月21日、8号館8204号室で、バグパイプ演奏に引き続いて開かれた。
プレゼンターは、折田正樹・法学部教授(元駐英大使)、図師照幸・英国国際教育研究所所長、 Jeff Streeterブリティッシュ・カウンセル日本代表の3名で、若林茂則・文学部教授の司会で行われた。
以下は、3名のプレゼンターの発言要旨。
【折田正樹教授】
各国間の協調がますます必要になっている現在、イギリスの日本からみた重要性を再認識する必要がある。イギリスは、かつてのような大国とは言えないかもしれないが、産業革命、議会制民主主義、福祉制度を発展させた経験を有する国であり、成熟した市場経済として日本と共通の課題を有している。地政学的にも日英は共通の要素を有している。こうした問題について、日英間で知的交流を促進することは日英両国双方にとって有益であるばかりでなく、国際社会に貢献することにもなろう。
学生の皆さんには、世界の優秀な学生が集まるイギリスの大学への留学も考えてほしい。そして、国際社会から知識を吸収し、議論を行って日本の考えを発信し、国際社会での日本の存在感を高めるとともに、より良き世界の秩序づくりに貢献できる高度の知的能力を磨いていって欲しい。
【図師照幸氏】
国際理解教育の視点から、教育本来の位置付けとその可能性についての研究および教育実践活動を展開している。国際社会における「日本という国、日本語、日本のあり方」をみんなで考えよう。
イギリスで日本に関する理解者を増やすためにも、現地で日本人が日本語を教えるような環境を整えることが必要性だ。また、英語を学ぶことは、物事をいろんな角度から見ることができる手掛かりとなる。英語を学ぶことによって、どの国でも生きていける普遍的価値を学んで欲しい。
【Jeff Streeter氏】
イギリスについて「英語以外はしゃべれない。イギリスは雨、霧が多い。傘が必須。いつも帽子を被っている。真面目である」などというイメージを抱くかもしれない。だが実際は、こういった英国のイメージはナンセンスである。
こうした固定観念は、もう一つの国を理解する際の障害になる。お互いを知る為に私達は、奨学金制度などを充実し、お互いの言語を、より多くの人が学ぶ機会を得る必要がある。日本、イギリス両国の歴史を相互に知るために、更なる文化交流を進めていきたい。
(学生記者 梶原麗奈=公共政策研究科修士1年)