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トップ>Hakumonちゅうおう【2011年夏季号】>【特集 Campus Now】『東日本大震災と向きあって』

Hakumonちゅうおう一覧

【特集 Campus Now】『東日本大震災と向きあって』

「自分に何かできることはないか」―大震災と真摯に向き合った中大生たち

サッカー部がチャリティーイベント開催
対早稲田大学戦や大抽選会に歓声沸く

 「被災地のために、今できること。サッカーを通し、被災地へエールを送りませんか」―。こんな呼びかけで企画された「チャリティーサッカーイベント」が4月23日、多摩キャンパスのサッカーグラウンドで開かれた。

 学友会サッカー部が主催したこのイベントには、雨降りのあいにくの天気にもかかわらず、小中学生のちびっこサッカー選手らがミニゲームや中央大学と早稲田大学とのサッカーチャリティーマッチに元気な声援をおくり、父母や近隣の人たちも参加した豪華賞品が当たるチャリティー大抽選会に大歓声を上げて楽しい1日を過ごした。

抽選発表に歓声をあげるちびっこサッカー選手ら

 イベントを企画したのはサッカー部の現役部員たちで、東日本大震災による被災地の甚大な被害状況を見て、「何か慈善活動をしよう」と行動を起こした。

 中心となって活動したのは、主務の法学部4年、渡部一平さん(私立桐光学園高校出身)。4月上旬にキャプテンや3、4年生を中心に、慈善活動について何ができるかを話し合った。はじめは募金活動だけをやるつもりでいたが、佐藤健総監督から「やるなら、コンセプトを持って、何のためにやるのかきちんと考えてやれ」と指示された。

 ミーティングで佐藤総監督は、「チームメイトにも被災地出身の部員がいる。家族や親戚、知人が被災したり亡くなったりした人もいる。身近にそういう現実がある」と強調し、続いて次のように部員を激励した。

 「震災を外からみるのではなく、また『皆がやるから』ではなく、今自分は何のために何ができるのかを社会人になる前に考えないといけない。今は考えるチャンスなんだ」

大抽選会でクジをひく渡部さん(中央)と佐藤総監督(左)

 部員は、考えたすえに、津波によってサッカー用具一式が流されてしまった被災地の子どもたちのために、「サッカーボールとジャージを送ろう」と目的を決めた。イベント当日まで短期間で、準備に追われたが、「一人ではできなかった。部員一丸となってやったから実現できた」と渡部さんは、総力戦の成果を強調した。

 当日の23日は、午前に地域の少年サッカークラブ、午後に社会人の方々と中大サッカー部の交流、関東大学サッカー連盟1部リーグの中大対早大の強豪チームによるサッカーチャリティーマッチが行われた。残念ながら中大は1対3で敗れたが、両チームの選手は降雨のなか真剣勝負を展開し、集った人たちを喜ばせた。

 チャリティーマッチ終了後は、お楽しみの大抽選会。賞品はJリーグのクラブチームから寄せられた有名選手のサイン入りグッズなどで、ファンならずとも欲しいものばかり。参加者は自分の抽選番号を手に握りしめながら、固唾をのんで抽選を待ち、番号が呼ばれるたびに歓声と落胆の声が交錯し、抽選会は大いに盛り上がった。

 この日のイベントで集った義援金総額は11万8600円。サッカー部では、多摩地域の4駅(八王子、立川、多摩センター、高幡不動)で行った街頭募金活動(4月19日~29日間に7回実施)で集った募金141万8859円と合わせた計153万7459円を東北サッカー協会へボールやウェアとして送った。

(学生記者 野崎みゆき=法学部4年)