都内の小学3~6年生を対象にした「中央大学陸上教室」(東京陸上競技協会主催)が2月19日、多摩キャンパスの陸上競技場で開かれた。東京陸協が行っている陸上教室に中央大学が協力して実現したもので、本学を会場に実施されたのは初めて。約100人の小学生が参加し、模範演技を見たり体験レッスンを受けたりして陸上競技の面白さを満喫していた。
開校式では、本学OBで東京陸協理事・普及部長の田中右一さんが、「体験教室は今回で4回目。これまでは中学校の校庭でしたが、今回は大学の本格的な競技場です。大いに陸上の楽しさを感じて欲しい」と挨拶=写真右。大学からは元陸上競技部監督で現相談役の木下澄雄さんが、「この体験教室を通して、何か1つでも2つでも学んでもらいたい」と小学生を激励した。
この後、“先生”を務める中央大学陸上競技部の選手(OB含む)21人が紹介された。いずれも大学トップレベルの選手達だ。
ウォーミングアップのあと、大勢の保護者が見守る中、参加者全員が50メートル走のタイム計測を行った=写真左。模範演技で短距離の川面聡太選手が5秒4のタイムを出すと、自分達より1秒も早いのに小学生は目を丸くしてビックリ。
ハードルの模範演技では、三宅修司選手と中野竜選手が、10~15メートルのハンディを背負って、男女各1名の小学生と競争。何と2連敗するという結果に、三宅選手が「なんにもいえねー」と懺悔すると、会場は大きな笑いで盛り上がった。
走り幅跳びの模範演技では、大塚翔太選手の7メートル70センチを超す大きな
跳躍に、歓声があがった。走り高跳びでは茂垣之寛選手が、2メートルに挑戦。1回目は成功したが、2回目は失敗。「もう1回」の声で、3回目に挑み、今度はバーに触れず、きれいな背面跳びを見せた=写真右。棒高跳びでは、応援に来た筑波大学出身の川口直哉選手(モンテローザ所属)が4メートルを軽々と成功。4メートル50センチ以上の高さもクリア=写真下=すると、参加者からどよめきがあがった。
投擲(砲丸投げ、やり投げ、ハンマー投げ、円盤投げの4種目)では、女子の日本記録に男子選手が挑戦。日本記録を超えられない種目もあったが、選手の呼びかけで砲丸やハンマーを手にした小学生たちは「すごく重い」と実感。逆に円盤には「軽い」と正直な感想が飛び交った。
模範演技のあと、参加した小学生は希望種目に分かれて体験レッスン。短距離走では、「足を速くしよう」とスタートダッシュにチャレンジ。「一番を目指そう」という選手からの声かけに、懸命に力走。ハードル走では、小さくて低いハードルから始め、選手と小学生がリズムを合わせて並んでハードルを跳んで=写真下=、タイミングの練習をした。
走り高跳びでは、まずマットにのってやわらかさを体感し、選手は「怖がらないことが大事だよ」と指導。走り幅跳びの跳び方で、選手が「マリオのジャンプを思い出して」と分かり易く説明すると、小学生は笑顔で挑戦していた。また、やり投げでは、小さなロケットのような形をしたジャベリックスローを使って、投げる練習を繰り返した。
長距離では、1000メートルを選手が小学生に声をかけながら共に走った。正月の箱根駅伝で9区を走った井口恵太選手は「頑張って最後まで走りぬくことが大切。走り終わった後は楽しいと思えます」と小学生を励ましていた。
最後の閉校式では、ジャンケン大会で大いに盛り上がった。選手に勝つと、カレンダーがプレゼントされたほか、参加賞の中大特製タオルが配られ=写真左=、小学生は大はしゃぎ。その後、選手のサイン会が開かれ、小学生はカレンダーやタオル、メモ帳、シャツなどにサインをもらい、楽しかった1日の思い出に残していた=写真下。
教室に参加した下村昂輝くん、平塚謙志郎くん、金子遼平くん、富田凌矢くん(立川市立第4小学校4年)の4人は、「楽しかった。お兄さんたちは上手で、優しくて、おもしろい」と元気に答えてくれた。
立山亜佑ちゃん(八王子市立由木東小学校3年)は、「投げるのが一番楽しかった」と笑顔。嶋田早紀ちゃん(立川市立新生小学校6年)は、「陸上は前から好きで、今度、立川マラソンに参加します」と長距離ランナーを目指す。
ハードル走で選手と競争した三須恵美香ちゃん(港区立白金小学校3年)は、「45メートルなら、選手に勝てると思った。選手は早かった。体験教室に参加して楽しかった」とまだ興奮した様子で話してくれた。
また、小4の子供と参加した北沢亮さん(稲城市在住)は、「中央大学は家からも近いので参加した。現役の選手の演技を間近で見ることができてよかった」と満足げ。また、小4の甥っ子と来たという花井小百合さん(練馬区在住)は、「大学の環境も教えてあげたかった」と天然芝とアンツーカーの本格的グランドでの陸上教室開催を喜んでいた。
(学生記者 荻原睦=法学部3年)