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トップ>Hakumonちゅうおう【2011年春季号】>【ニュースPlus】小学校で日比交流の模擬授業 サークル『PocoPoco』が映画も上映

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【ニュースPlus】

小学校で日比交流の模擬授業 サークル『PocoPoco』が映画も上映

 日比交流サークル『PocoPoco』(代表・中島史絵さん=経済学部3年)は1月18日、八王子市立由木東小学校で、フィリピンに対する理解を深めてもらおうと、小学5年生を対象に模擬授業を行った。同校の理解を得て、初めて実施したもので、今後も数回行う予定だ。

由木東小学校でフィリピンについて話す樋口隆広さん(右)

 この日、同小学校に出向いて臨時の先生として授業を行ったのは、樋口隆広さん(商学部4年)ら10人。「総合学習」の時間を使って、5年生の教室で行われた授業では、樋口さんがまず、「フィリピンという国を知っていますか」と語りかけると、生徒からは「バナナとか果物が多い」「気温がアツそう」といった答えがかえってきた。

 生徒は日本との文化の違いに興味をもった様子で、「宿題はありますか」「勉強はどれくらいしていますか」などと熱心に質問。

 樋口さんは、路上にダンボールを敷いて寝ている子供やシンナーを吸う子供の写真などを見せながら、「この子供達は、ストリートチルドレンと呼ばれ、親を亡くしたり、捨てられたりした子供たちです。11歳といえば、フィリピンでは、働いている年齢でもあるんですよ」と分かり易くフィリピンの厳しい貧困の現状について説明した。

 樋口さんらは、授業で生徒に描いてもらった日本を紹介する絵を、機会をみてフィリピンに持参して子供達に見せ、両国間の理解と交流を図る計画だ。

 授業を終えて生徒は、「同じくらいの年齢の子がホームレスでびっくりした。でもフィリピンに行ってみたい」などと語り、フィリピンへの関心を深めていた。同小学校の池田康雄校長は、「今回、中大の学生さんには、授業の補助として国際理解を深めるために授業してもらいました」と語り、通常の教育実習とは違ったこの日の授業に理解を示した。

 『PocoPoco』は、野口彰英さん(法学部4年、3年までフィリピン大学に留学)が、1年生の時のフィリピン留学で、現地のNGO『セブこども教育支援プルメリア』のフィールドワークに参加した際、ストリートチルドレンなど貧困にあえぐ子供達をみて、「学生ができる支援がしたい」と考えて、立ち上げたサークル。

 活動の柱は、日本では小学校までしか使われない鍵盤ハーモニカを集め、フィリピンの小学校や孤児院などの施設に寄贈するプロジェクト「CHAP」で、これまでに3回、フィリピンを訪ね、セブの小学校や孤児院などに数多く寄贈した。

 また昨年12月21日には、フィリピン映画祭を多摩キャンパスのCスクエアで開催。マニラのストリートチルドレンやホームレスなどを実写した映画『マリアのへそ』と『BASURA』の2作品を上映し、「フィリピンの貧困と私達の責任」をテーマにパネルディスカッションを行った。

(学生記者 豊福三晃=文学部3年)