Chuo Online

  • トップ
  • オピニオン
  • 研究
  • 教育
  • 人‐かお
  • RSS
  • ENGLISH

トップ>Hakumonちゅうおう【2011年春季号】>【ニュースPlus】3回留学したOGが体験交え講演 大切なのは「やる気」と「挑戦」

Hakumonちゅうおう一覧

【ニュースPlus】

3回留学したOGが体験交え講演 大切なのは「やる気」と「挑戦」

 『What's Up Outside? やってみなくちゃわからない!! あなたも今日から挑戦者の1人になりませんか?』―。こんな呼びかけで、社会のさまざまな分野で活躍するOB・OGらと在学生が交流するイベント(法学部主催)が12月18日、多摩キャンパス法学部2階のリソースセンターで開かれた。

◆2009年法卒の橋本美緒さん

講演する橋本美緒さん(中央)。右は三枝幸雄・法学部教授

 この日は、2009年法学部卒で、現在、大和証券キャピタル・マーケッツに勤務している橋本美緒さんが、在学中の留学体験をはじめ、就職活動から現在の仕事に関することまで、具体的な話を交えて講演。会場に集まった在学生らは、今後の学生生活の参考にしようと熱心に聞き入っていた。

 橋本さんは、2005年に法学部国際企業関係法学科に入学。卒業するまでに、『やる気応援奨学金』を3回活用して、海外に留学、研鑽を積んだ。

 1回目は「海外語学研修部門」を受給して、1年生の春休みに米サンディエゴに語学留学。2回目は「短期海外研修部門」を受給し、2年生の夏休みに国際金融証券インターンシップに参加した。3回目は「一般部門」を受け、2年生の9月から約1年、ニューヨークのBerkley Collegeへ認定留学した。

 橋本さんは、当時を振り返り、「私は、帰国子女でもないし、特に英語ができたわけでもなかった。だけど、留学する意志は誰よりも強く、学力以上のやる気があったし、自分にできることは全てした」と強調した。

◆「やる気応援奨学金」活用を

 そして、「やる気応援奨学金でもらえる30万円、100万円というお金はなかなか稼げるものではない」と話し、多くの学生が積極的に『やる気応援奨学金』を活用することを推奨。「1ヶ月の短期留学でも人脈が広がり、絶対に行った方がいい」と重ねて強調した。

 Berkley Collegeに留学中の生活について橋本さんは、「楽しいことばかりではなかった」と紹介。寮での生活は、4人一部屋で、1人になるスペースがなかった。しかも、「ルームメイトのアメリカ人の女の子はルールを守らない」で、毎日のように知らない人を呼んでパーティ三昧だった。

 「相手に迷惑をかけないという日本人にとっては、当たり前のことが通じない。相手に合わせることも大切だが、自分の意見を主張することも大切だと思い知った」という。

◆授業は受け身ではダメ

 また、学校の授業は「日本と全く違って、受身ではなく、自分から発言しなければ授業に参加できず、最初は戸惑った」と話し、「日本に帰りたいと思うこともあった」という。また、授業は午前9時から午後2時までで、「自由な時間がありすぎて、ライフスタイルをどうつくったらいいか分からなかった」と振り返った。

 それでも「6ヶ月くらいで授業が分かるようになってきた。自分の力を100%出して勉強すればAをとれた。毎日が生き生きしていて、充実していることを感じた」と橋本さんは笑顔で話した。

◆アジアへの貢献を自覚

橋本美緒さん

 橋本さんがニューヨークに認定留学している時期は、日本では3年生が就職活動をする時期でもあった。それで、橋本さんは留学中に、企業の人と会う機会が得られる「ボストン・キャリアフォーラム」に参加した。

 キャリアフォーラムとは、海外の大学・大学院で学ぶ日英バイリンガルの留学生に就職機会を与えるもので、400社もの外資系や日本企業が参加する。会場は7700人もの留学生で埋め尽くされていた。

 留学生の中には、ハーバード大学卒やすでに職業経験を持っている学生もいたが、橋本さんは、エントリーシートの書き方さえもわからなかった。

 「そんな中、面接を受ける中で、切実に感じたことがある」と語り、橋本さんは真剣な眼差しで、「それは、アジア人としての自覚です」と一段と声を大きくした。

 続けて橋本さんは、「日本から離れ、外国で生活して異文化を経験したからこそ初めて、日本の素晴らしさやアジアの目覚しい成長に気づくことができた」と指摘。そして、「日本人として、アジアに貢献したいと自然に心から思うようになった」と強調した。

 現在、大和証券キャピタル・マーケッツのコーポレートアクセス部で活躍する橋本さんは、「点(留学)でやっていたことが、線(企業)で結ばれた」と話し、在学生に対して「海外留学じゃなくても、自分がやりたいことを大切にして、挑戦して欲しい」とエールを送った。

(学生記者 宮寺理子=法学部2年)