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トップ>Hakumonちゅうおう【2011年早春号】>【群像 それぞれの春】7種競技で勝ち取った学生日本一 ケガとの闘いを支えてくれた仲間

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群像 それぞれの春

7種競技で勝ち取った学生日本一 ケガとの闘いを支えてくれた仲間

山田 めぐみさん/文学部(明大付属中野八王子高校出身)

山田 めぐみ

 身長178センチのすらりとした長身で、スタイル抜群。いかにもバネがありそうにみえる。ところが山田さんは、「陸上の選手にはバネ系と馬力系があると思いますが、私は馬力系です」と自分自身の特性を紹介した。それもそのはずで、山田さんは昨年9月に国立競技場で行われた第79回日本学生陸上競技対抗選手権大会(インカレ)の7種競技で見事優勝を飾った。

 7種競技は、100mハードル、200m走、800m走、走り高跳び、走り幅跳び、砲丸投げ、やり投げの7種目を総合点で競う競技で、当然、バネばかりでなく、馬力も求められる。山田さんはその両方を兼ね備えているからこそ、学生チャンピオンに輝いたのだろう。

 大学3年までは、100mハードルの選手でトラックが専門。フィールド種目は、骨折して走れなかった時に、高橋賢作監督から言われてやった程度だった。それが、女子陸上部で年1回行う7種競技会でフィールド種目でも活躍したのが高橋監督の目にとまり、7種をやるように勧められた。それがきっかけで、「少しでも記録を出して部に貢献したかった」と7種競技をはじめた。

 練習はハードだった。7種目を練習するので、練習時間はどうしても長くなる。1日7時間の練習は当たり前。「陸上競技場の夜間照明が消えて、はじめて夜9時だと気づくこともあった」という。

 7種競技をはじめてからの競技歴が浅いため、トップレベルに追いつくのに必死で、「時間がなくて、嵐のように時間が過ぎました」と振り返る。練習休みは週1日で、山田さんは、練習と学業との両立が大変ななか、教職課程も履修した。

 1年生のときには疲労骨折で、1年くらいまともに走ることができなかった。大学の競技生活はケガとの闘いでもあった。そんなとき、多くの人に支えられた。「かけがえないのは部活の仲間たちで、一人では陸上を続けられなかった。つらかったけど幸せでした」と友人、そして監督、コーチ、先輩、両親らに感謝する。

 座右の銘は『為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり』。「とくに大学生活で後半部分がわかるようになりました。何事も気の持ちようだって思うようになったんです」と話す。

 卒業後はキャビンアテンダントとして働くことになり、陸上競技からは離れる。「走りきりましから」とすっきりした表情だ。今は、「お客様がフライトで快適に過ごしていただけるように精一杯努めたい」と機上での仕事に思いを馳せている。

(渡辺)