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トップ>Hakumonちゅうおう【2011年早春号】>【群像 それぞれの春】「先生になる」夢に一直線の4年間 「経験」と「仲間」の大切さを知る

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群像 それぞれの春

「先生になる」夢に一直線の4年間 「経験」と「仲間」の大切さを知る

菊地 祐太さん/文学部(私立拓殖大学第一高校出身)

菊地 祐太

 とにかく笑顔がいい。「計画性があまりなく、興味あることをとりあえずやってみる人間だから失敗することも多い。そんな僕にいつも手を差し伸べて応援してくれた周囲には本当に感謝している」と話す間もやはり笑顔だ。

 日本史学を専攻した菊地さんは、2010年10月に東京都の教員採用試験に合格。中学・高校社会の3分野(中学社会・高校地歴・高校公民)に名簿登録され、中学時代からの夢だった「先生」になる資格を得て、大きな一歩を踏み出すことになった。

 そもそも中央大学は、「教師になれる大学」として選んだという。大学4年間は、大学予備校の塾講師をすることで、受験生に対する教え方を勉強するとともに、「自分自身の学力を維持する」ことに役立てた。

 ボランティアとして参加した中学生対象の授業では、「生徒参加型授業を行うためには、その始め方に特に工夫が必要」と学んだ。旅行に行くときは、必ず図説を持っていき、歴史の授業に自分の経験を生かせるよう心掛けた。

 教育実習では、(1)開門から閉門まで学校にいる間は教室にずっといる(2)クラスの生徒一人ずつに挨拶することを自分に課した。長い時間教室で過ごし、生徒との交流を大切にしたことで、「先生になるという夢は自分だけのものじゃない」と実感したという。

 その一方で、ラグビーサークル『ブルーウィンズ』でプレーした。3年次に副キャプテンと主務を務め、「チームを支える責任感と仲間のつながりの大切さを知った」。

 教師まっしぐらの大学生活の中で、3年次の冬の2か月間、「ずっと行きたかった」というフランスに留学した。「ただ、周りは就活をはじめていて、時期は悪かった」と苦笑い。

 「フランスで過ごしてみて、自発的に行動しないと周りは何もしてくれないことがわかった。留学で、教員免許取得を目指す勉強会への参加は遅れてしまったけれど、危機感を感じていた分、効率的に勉強できた」と明るく話す。

 菊地さんは、大学生活を振り返り、「もっといろんな場所へ行きたかったし、大学での勉強をもう少し頑張っておけばよかったと思う。だから完璧ではなかったけれど、やりたいことをやってそれなりに忙しく、満足できる4年間だった。自己採点は75点かな」とここでも笑顔をみせた。

 「広島で過ごした中学生活が楽しかった」ことを思い起こしながら、今春、菊地さんは、目標である「様々なタイプの生徒の個性を伸ばすことができる先生」になるため、新しい生活に踏み出す。

(中野)