大学4年間は、法曹界を目指して一直線の生活だった。それが見事結実し、今春から、中央大学法科大学院既習者コースへ進学する。慶応義塾大学法科大学院既習者コース、早稲田大学法科大学院既習者コースにも合格したが、当然のように中大ロースクールを選んだ。
谷田部さんは、生活に車椅子を使っている。明るく穏やかな語り口からは、そのハンディはみじんも感じられないが、「高校時代は名門野球部に所属していた」というだけに、負けず嫌いなのだろう。3つの大学のロースクールに合格したのも、人一倍勉学に励んだ結果だ。
「もともと漠然と法曹になりたいとう意識はあった」と谷田部さんは言う。それが明確になったのは、指定校推薦で中央大学法学部政治学科に入学してからだ。
父親が中央大学法学部卒業という家庭環境もあったかもしれないが、橋本基弘教授の憲法の授業や、『炎の塔』で行われている法職講座で、永山在浩弁護士の民法の講義を受けるうちに「法律を学ぶ面白さを知った」という。
1年生で法職多摩研究室に所属し、本格的に法律の勉強をはじめ、「最低限の知識で効率よく解く」ことを念頭に、六法の勉強に取り組んだ。ゼミは、政治学科の学生の多くが政治系のゼミを選択する中で、谷田部さんは、2年生で橋本基弘教授の「憲法」のゼミ、3・4年生では大村雅彦教授の「民事訴訟法」のゼミで法律を学んだ。
「1、2年生のときは、研究室のゼミが土曜・日曜にもあったため、ほぼ毎日、大学へ通っていました」という。努力の甲斐あって、4年次に旧司法試験・短答試験に合格した。
「でも、モチベーションが下がることは、やはりありました」と話す。そんな時は旧司法試験に合格し2つ上の尊敬する先輩に相談し、励ましてもらったそうだ。このような、「先輩と後輩の縦の繋がりが中央大学の魅力のひとつです」と谷田部さんは強調した。
さらに加えて、「情報共有や試験対策ができる炎の塔や法職基礎講座などの学べる環境が、整っていることも中央大学の魅力です」と述べ、法曹を目指す後輩たちにも、中央大学の学べる環境を十分に活用して欲しいとエールを送ってくれた。
(梶原)