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トップ>HAKUMON Chuo【2010年冬季号】>【ニュースPlus】国家公務員等採用Ⅰ種試験合格者祝賀・激励会 13人が合格、5人が中央省庁に内定得る

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【ニュースPlus】

国家公務員等採用Ⅰ種試験合格者祝賀・激励会
13人が合格、5人が中央省庁に内定得る

 2010年度国家公務員等Ⅰ種合格者祝賀・激励会が11月28日、中央大学駿河台記念館で行われた。今年度の合格者は13人で、このうち祝賀・激励会には7人の合格者が出席、激励に駆けつけた来賓や本学出身の現職国家公務員、大学関係者らに祝福を受け、今後の活躍を誓った。

 祝賀・激励会では、まず永井和之総長・学長が挨拶に立ち、「国を背負って立つ気構えを理想高く持って、国事にあたって欲しい」などと述べ、内定者を励ました。続いて本学OBで環境省東北地方環境事務所の小林香所長が、「日本の将来を考えたとき、必要な政策は何なのかを考えて仕事にあたって欲しい」と祝辞を述べた。

 また祝辞に立った久野修慈理事長は、「この国のために活躍するんだという心構えで行政に携わって欲しい」と激励した。

 このあと合格者が一人ずつ自己紹介し、関係者に感謝の言葉を述べるとともに、それぞれの進路で全力上げて仕事に取り組むことを誓った。

 畠中誠二郎・総合政策学部教授の乾杯の音頭で歓談に移り、学生記者はこの日出席した合格者7人に、それぞれ話を聞いた。

食品廃棄の現場みて「食」について考える

 農林水産省から内定を得たのは、井坂あゆみさん(法学部)。「スーパーでのアルバイトで、食品廃棄の現場が身近にありました。食べ物が、捨てられる現場を見て、農村地域で育った経験と併せて食について考え始めたんです」というのが農水省入りの動機。「日本の食を変える環境で働き、高齢化している農村を活性化させ、伝統農業を守っていきたい」という。

 2年生の夏に、国家公務員を視野に入れ始め、3年生から予備校で本格的に試験勉強を始めた。炎の塔でも勉強し、そこで仲間と話すことが勉強の支えになった。後輩達には、「やりたいことを明確にしながら、問題意識を持って多くの経験を積んで欲しいですね」とメッセージをくれた。

 「人は生きていくために働きますが、働くことが日々の楽しみや、生活以上の糧を得るものになったらいいと思うんです」いうのは、厚生労働省に内定が決まった岩田実可子さん(法学部)。

 1年生の春休みにインドネシアのNGOでボランティアをしたことや、介護施設訪問の経験などを通して、「本当の豊かさとは、何だろう」と考えるようになった。3年生の春から予備校に通い始め、科目の多い試験を効率的に勉強することに全力をつくした。「生活の豊かさを、働いている人たちが感じていけるような環境づくりができたらいい」と語り、厚労省の仕事に想いを馳せた。

 「異なる部署や分野を経て成長していけたらいいですね」。こう語るのは、京都府庁に内定が決まった本永喜彦さん(法学部)。進路に関しては多様な選択肢があるなかで京都府庁に入庁を決めた理由としては、「現場を見たうえで何が足りないかを探ることのできる環境に魅力を感じたから」という。いまは、「何にでも興味を持ち、政策で府民に働きかける役割を担いたい」と考えている。

 2年生の4月から始めた試験勉強では、予備校に通った。「やりたいことが多い場合、予備校では効率的に勉強ができる」というのが理由だ。国家公務員試験では、「直前の重圧に対してはセルフコントロール力が要求される」と経験談を語ってくれた。

マクロな政策に興味法律知識活かし公取委へ

 公正取引委員会から内定を得た飯田達也さん(法学部)は、藤本哲也法学部教授の犯罪学の講義で、「マクロな政策に興味を持った」ことが、国家公務員を目指すきっかけになった。ロースクールにも進学したが、「法曹を目指すというのは建前」で、実際は興味あるものを専門的に学ぶためだった。

 市場の番人ともいわれる公正取引委員会。「ナイスジャッジがナイスプレーを光らせる」という信念のもとに、法律知識をいかし、「良質廉価な商品を生み出す企業が、非合理的な妨害を受けない市場を確保していきたい」と意気込みを語ってくれた。

 足立明子さん(法学部)は、国家公務員試験に合格したが、今回は官公庁に就職の道を選ばなかった。官庁訪問で「勉強不足」を実感し、「もっとしっかり勉強しなおしたい」と大学院で勉強を続けることにした。

 国際インターンシップで出会った外交官の影響を受け、国家公務員を目指した。2年生からは外交研究会で勉強を始め、予備校にも通った。試験内容の異なる大学院入試試験と国家公務員Ⅰ種試験を両立させるコツは、「切り替え」で、時間をしっかりと区切って両方の試験に取り組んだ。

 後輩に対しては「色々やってきて後悔したことはない。挑戦してベストを尽くして欲しい」と語った。

 風間匡美さん(法学部)は、金融庁から内定を得た。きっかけは3年生の夏休みに行った銀行のインターンシップだった。法律の枠内だけでなく、「その法律が正しいかを考えて働きたい」と感じたという。それ以来、国家公務員試験に向けて予備校に通い、春休みには毎日8時間の勉強をこなしてきた。

 金融庁では、銀行の監督はもちろん国際交渉に関わっていきたい、と意欲的だ。後輩へは、「大学に入って、良かったと思えることをして欲しい」とメッセージをくれた。

25カ国放浪して外交官に「日本とアジア」に関心

 「国家公務員の中でも、具体的に外交官になりたかった」ときっぱり言うのは、外務省から内定を得た森谷泰韻さん(法学部)。海外の旅が好きで、訪れた国は25カ国ほど。この外国放浪を通して、「日本とアジアの関係をよくしたい」との思いを抱くようになった。

 中央大学で行われる外交講座にも参加し、知識を深め、大学3年生から本格的に外交官を目指し始め、予備校に通った。年が明けてからは毎日7、8時間、試験直前は10時間の勉強をこなした。

 「バイトもサークル活動もしっかりやりました。英語はそんなに得意でもないです。普通の学生です」という森谷さんは、「環境や能力にとらわれず、五感を開いて自分のやりたいことを探してください」と後輩にアドバイスした。

 祝賀・激励会は、合格者を代表して森谷さんが謝辞を述べたあと、最後に橋本基弘法学部長が、閉会の辞を述べて、閉会した。

(学生記者 加藤静香=文学部1年/渡辺沙希=法学部1年)