エニグマ暗号機
理工学 学術・研究交流会の展示コーナーで、人目を惹いたのが、日本に2台しか現存していないという『エニグマ暗号機』。展示されたのは、そのうちの1台で、辻井重男・研究開発機構教授が所蔵しているものだ。
軍用暗号機であるエニグマ暗号機が使われたのは、第二次世界大戦中で、ドイツのナチス軍が終戦時まで使用していた。
展示会場に置かれていたエニグマ暗号機は、古いワープロのような形の機械。大きさにして、約30センチ四方とかなり大きい。近寄ってよく見てみると、キーボードとローターと呼ばれる南京錠の数字合わせのような部分、そしてAからZまでが印字されたランプが組み込まれていた。
「これって、まだ使えるんですか?」と聞いてみると、「もちろん」という返事が返ってきた。早速デモンストレーションをお願いしてみた。操作は意外と簡単で、素人の記者でもすぐに理解できた。「こんなに操作が簡単だと、すぐに解読されるのでは?」と心配になった。しかし、現在あるスーパーコンピューターを駆使しても、この暗号を解読するのに1年ほどかかるらしい。
展示会場は、展示物に近寄れないほどの人だかりで、多くの人が、物珍しげに観察し、記念写真を撮る人も多くいた。
(学生記者 橋本奈緒美=理工学研究科博士後期3年)