Chuo Online

  • トップ
  • オピニオン
  • 研究
  • 教育
  • 人‐かお
  • RSS
  • ENGLISH

トップ>Hakumonちゅうおう【2010年夏季号】>【特集】期待のルーキー 自転車競技部 笠原 恭輔さん(商学部1年)

Hakumonちゅうおう一覧

【特集】期待のルーキー

自転車競技部

笠原 恭輔さん(商学部1年)

すでに日本の期待の星に

 4月にタイで行われた「ツアー・オブ・タイランド2010」に、日本代表のメンバーとして出場した。このアジアプロツアーは、6日間全6ステージで構成され、平坦なコースもあれば起伏の激しい山岳コースもあり、一日で最長200kmを超える距離を走る暑さと高湿度の中で行われる過酷なレースだ。

 笠原さんは、中大自転車競技部の期待のルーキーであると同時に、すでに日本の期待の星でもある。

 2009年秋の国体のロードレース・少年の部で優勝、同8月のアジア・ジュニア自転車競技選手権男子個人ロードレースで3位と、輝かしい実績を引っ提げて、笠原さんは中大に入学した。3月に中大の寮に入寮して2ヶ月あまり。自転車部での生活は「先輩も優しいし、とても楽しいです」と明るい答えが返ってきた。

朝、練習で60~80km走る

 月曜日の休みを除いて、週6日毎日練習をする。全体で練習するのは朝5時から8時まで、みっちり3時間。青梅や宮ヶ瀬まで60~80kmを走ってから、毎日が始まる。授業が終わった後は、個人練習で、山などの長い坂を含んだ道でのインターバルの練習が基本的だ。

 ロードバイクに乗り始めたのは、中学3年の頃。3歳上のお兄さんが乗っていた影響で、家の近くのサイクルショップの走行会に参加し、走り始めた。「走行会は、おじさんばかりでしたね」と笑う。そんななかで、「自転車に乗るのが楽しかった」という笠原少年は、着々と力をつけていった。

 高校は、千葉県の実家からそう遠くない茨城の名門・江戸川学園取手高校に入学した。しかし、自転車競技部がなかったため、部がある近くの高校の練習に加わらせてもらい、インターハイを目指して一人で練習した。

高校での転校が転機に

 でも自転車と勉強の両立は簡単ではなかった。「勉強が厳しい高校で、自転車の練習ばかりしていると勉強する時間がありませんでした。それで自転車にも勉強にも集中できなくなった」という笠原さんは、高校2年の秋、「これ以上続けるのは難しい」と親に転校したいと願い出た。

 意を決した高校での転校が、笠原さんを自転車競技人生に大きく転じさせることになった。自転車競技部のある埼玉の小松原高校に転入してからは、「思う存分に自転車に打ち込めるようになった」。

 中大進学は、「明大の自転車部にいる兄が、中大は雰囲気が良くて良いチームだと勧めてくれた」ので、監督に自ら売り込んだという。「インカレチャンピオンと世界選手権で上位に入賞すること」が大学4年間の目標だ。笠原さんが見据える先は、世界へと向いている。

学生記者 石川可南子(法学部3年)