Chuo Online

  • トップ
  • オピニオン
  • 研究
  • 教育
  • 人‐かお
  • RSS
  • ENGLISH

トップ>Hakumonちゅうおう【2010年夏季号】>【特集】期待のルーキー 陸上競技部 女部田 亮さん(法学部1年)

Hakumonちゅうおう一覧

【特集】期待のルーキー

陸上競技部

女部田 亮さん(法学部1年)

 短距離のルーキーは、みんなが高校時代からの顔なじみで、仲もよい。ただ、女部田さんは、「今は悔しい思いをしている」という。常にトップレベルであったのに、大学に入り、試合に出場することさえできない現実を経験したからだ。「自分は遅いと初めて感じた。けれど、挫折や大きな故障経験がなかった自分にとっては今、経験できてよかった」と冷静に分析する。

毎日、練習日誌をつける

 女部田さんに焦りは見えない。それには、わけがある。自ら練習日誌をつけ始めたのだ。毎日、練習内容や体調、課題などをノートに記録する。「ノートに書くようになったのははじめて」と、自分が変わったことを素直に喜んでもいる。

 「真剣に短距離と向き合わないと、すぐにライバルに置いていかれる。仲間同士でアドバイスし合い、能動的に陸上に取り組んでいると感じます」

 陸上の短距離を本格的に始めたのは陸上の名門、東京高校に進学してからだ。中学ではバスケットボール部に所属していた。「もともと足が速かったこともあるけれど、自分の実力や努力がすべて自分に返ってくる個人競技に強い魅力を感じた。中学の陸上の顧問にも、真剣にやれば強くなるといわれました」という。

 高校時代の練習は、「想像していたよりも大変ではなかったです。短距離は、オンオフがはっきりとした練習をしますから」と淡々と話す。高校では、どんどん記録を伸ばし、2008年度国体の100mで優勝、2009年度インターハイでは100mで3位になった。

「速く走れる」と思い込む

 「自分はまだ速く走れる」と自分自身に思い込ませるのが女部田流練習術だ。他の選手と比べても、練習量は少ない。「練習はすべてを全力でやるのではなく、メリハリをつけてやる」ことにしている。

 ただ、レース前は弱気になる。「スタートが遅れたらどうしようとか考えてしまう」そうだ。「自分で自分にプレッシャーをかけては、変に緊張するだけなので、不安になったらボーっとして平常心を心がけることにしています。あとは自分の持っている力を出し切って、最高のパフォーマンスができるよう、ただ必死に走ります」という。

尊敬する末続慎吾選手

 当面の目標は、七月中旬にカナダで開かれる世界ジュニア。その先には日本選手権、全日本インカレの優勝がある。課題は、「スタート後に体をあげてから全力疾走に乗せるまでの時間をより速くすること」とはっきりしている。

 陸上短距離日本代表で北京オリンピック4×100mリレー銅メダリストの末続慎吾選手を尊敬している。「実力だけでなく、そのカリスマ性にひかれた」という。女部田さんは、「試合では楽しみたいし、目立ちたい」という思いで、さらなるレベルアップを目指している。

学生記者 中野由優季(法学部1年)