「高校で経験した大会と違って大学を背負っている、という感じがしてとても緊張した」と、5月に国立競技場で行われた関東インカレを振り返った。
準備不足だった関東インカレ
木村さんは関東インカレで、200mに出場し予選で敗退。しかし、4×400mリレーの中央大学メンバー(第3走者)に入り、決勝で3位の好成績に貢献した。ただ、この結果に関しては、「準備不足だったと感じていて、人間的に成長しないと大学では通用しないと痛感した」という。
今は、「また初心に戻って、一からやり直したい」と気を引き締めている。
沖縄県出身の木村さんは、高校時代に数々の大会で優秀な成績を残している。2009年度の日本ジュニア200mで優勝、インターハイ200mで2位になった。このときのインターハイ200mで優勝したのが、同じく中央大学に進学した飯塚翔太さんだった。高校時代から仲のよいライバルと、今度は同じ大学で切磋琢磨することになったのだ。
スランプに陥った高校時代
陸上を始めたのは、小学校3年生の頃。1年生から3年生までは、お兄さんの影響でサッカーをやっていたが、そのサッカーをやめて地元の陸上クラブチームに入った。「サッカーはチームプレイ。仲間同士で責任をなすりつけるのが嫌だった。自分には個人プレーが向いていると思った」という。
小学校の陸上クラブチームで頭角を現した木村さんは、中学校2年生の時に初めて全国大会の100mで決勝に残った。高校へ進学してからは、たびたびケガに見舞われ、自己ベストが伸び悩むといったスランプに陥った。沖縄県では負けたことがなく、エリートと呼ばれていた木村さんにとって、大きな挫折だった。
「自分でも変なプライドがあったから、かなり落ち込みました。だけど、このままではいけない。中学校までの実績を捨てて基礎からやり直そうと思ったんです」。それからというもの、常に「初心を忘れない」ことをモットーとしている。
200m前半のスピード強化を
これからの課題は、「200mが中心種目なので、前半の100mのスピード強化を図る。そのためには東京の気候に対応できるような体づくりを目指したい」と明確だ。
「冷静かつ情熱的に、自分のペースでのびのびと陸上に向かっていきたい」と話す木村さんは、「陸上が趣味」と断言するほど、心から陸上競技を楽しんでいる。
学生記者 熊谷百夏(法学部1年)