協定に調印後、握手する永井学長(左)と田尻学長(右)
中央大学(東京都八王子市、永井和之学長)は3月16日、日本医科大学(東京都文京区、田尻孝学長)と教育・研究の両面にわたって連携・協力を図るための包括協定を締結した。この協定により今後、両大学間の相互交流がより促進されることになり、医学・工学・理学のみならず、医学・法学の連携も推進され、両大学双方の教育・研究のさらなる発展が期待される。
この日、中央大学後楽園キャンパスで行われた包括協定(基本協定)の調印式には、中央大学から永井学長はじめ大久保信行常任理事、石井洋一理工学部長ら、日本医科大学からは田尻学長と、同大の兄弟校である日本獣医生命科学大学の池本卯典学長らが出席。永井学長と田尻学長が、それぞれ教育・研究交流協定書に署名したうえで、協定書を取り交わした。
本学は、1978年の多摩移転後、多摩キャンパスの夜間医療体制や学生などの健康診断で、日本医科大学附属多摩永山病院からの医師派遣などの協力を得てきている。また、理工学部の後楽園キャンパスでは、同じく文京区内にある日本医科大学とこれまで相互に二度にわたり、「医学と工学の連携を求めて」というテーマで学術合同ワークショップを開き、研究協力を進めてきた。
今回の協定は、さらに両大学が教育と研究の双方にわたって連携し、理学・工学や医学に関する学術交流を促進して、新たな展開をはかることを目的に締結された。
今後は、すぐにも図書館の相互利用ができるようになる。また、大学院間の単位互換による学生交流や、研究者交流、中・高校生を対象にしたサイエンスセミナーの共催、さらには日本獣医生命科学大学との交流も検討される。
とくに本学の理工学部と法科大学院(市ヶ谷キャンパス)は、日本医科大学とは距離的に近いため、より連携が推進されることになる。
協定締結後に記者会見した永井学長は、125年前の本学創立式典に来賓として出席した福沢諭吉翁が、「法学と医学は非常によい。1日学んだだけで為になる」と述べたことを紹介し、「生命系の分野が総合大学として必要と考え、ウイングを広げた」と述べ、日本医科大学との交流に期待を示した。
また、日本医科大学の田尻学長は、本学理工学部に昨春、生命科学科ができたのが今回の協定締結のきっかけになったとしたうえで、「社会のためになる大きな成果が得られることを確信している」と強調した。
編集室