大学入学から1年、日々の生活から新鮮さが失せ、「大学生活、これでいいのかなぁ・・・」と不安を感じていた2年生の夏。たまたま見かけた1枚の「学生記者募集」の貼り紙が私の大学生活を大きく変えてくれました。
それからおよそ2年半の学生記者の活動を通じてたくさんの人を取材しました。人と話す機会に恵まれ、多くの出会いを経験することで充実した学生生活となりました。1時間弱の短い間にその人が経験してきた物語を聞きだし、それを自分の言葉で読者に伝える、という一連の作業にやりがいと責任を感じました。
漫画家の赤松健さん、男子バレーボール選手の福澤達哉さんといった著名人の取材は、特に思い出深い経験です。しかし、一人ひとりの取材相手との出会いが、私にとって宝物となりました。人には人なりの波乱万丈な人生があって、それぞれが頑張って毎日を生き抜いています。「人生いろいろ」この言葉をこんなに実感できたのは、学生記者を始めてからです。
また学生記者としての活動で得た宝物のもうひとつに、尊敬できる仲間との出会いが挙げられます。物怖じせず取材相手に飛び込む強さをもった先輩、常にアンテナを高く張り、あらゆるジャンルの話題に精通している先輩、目的意識が高くバイタリティに溢れた先輩。多くのことをこうした先輩達の姿から学びました。
同期生にも前向きで向上心の強い仲間がそろっていて、彼らと会うと自分もとても前向きな気持ちになることができました。そして優しく、ときに厳しく指導してくれた伊藤博編集長。「思い立ったらまず行動」という私の座右の銘は、常に行動することの大切さを説いていた編集長の影響が大きいです。
あの時、貼り紙を見てアクションを起こさなければ、当然、学生記者になることはなかったでしょう。そう考えると不思議なものです。一歩を踏み出すか否かで人生が変わってしまうケースは、案外少なくないのかもしれません。これからも積極的に一歩を踏み出せる人間でありたいと思います。
振り返れば、あの夏の漠然とした不安は杞憂に終わり、サークルに、アルバイトに、旅行に、趣味に、そして学生記者にと駆け抜けてきた大学生活でした。やりたいことに挑戦してきた結果、たくさんの出会いを経験することができました。そしてこの出会いが私を一回り成長させてくれました。
この春から文具会社の営業職として頑張っていきます。社会に出てもっともっと多くの人と出会い、いつまでも成長し続けていきたいです。