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トップ>Hakumonちゅうおう【2010年早春号】>【学生記者 最後の<私>ニュース】これからも自分に素直で正直に

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学生記者 最後の<私>ニュース

これからも自分に素直で正直に

武田 朋実/法学部

武田 朋実

 この人を突き動かすものは何か、何が原動力なのか。これは、ゼミやサークル、スポーツなどに打ち込む中大生、OB・OGなどの取材をする際に、常に私が考えていたことだ。これを考えながら話を聞くと、上手くいけば、その人を形成する根っこのような、本質の一部分にふれることができる。その部分にふれたときが、取材をしていておもしろいと感じる瞬間である。

 もともと、いろいろな人の話を聞くことができるのでおもしろそうだと思い、2年生から学生記者を始めた。取材では、JICAという国際協力の道へ進もうとする学生や、在宅介助のボランティアを行う学生、世代を超えて学ぶシニア学生、ドキュメンタリー映画監督など、多くの人に会った。

 当然これらの取材では、聞いたこと全てが記事に載るわけではない。記事からこぼれ落ち、載せられなかった言葉もたくさんある。そういった言葉が、多くの人との出会いが今の私のなかにあり、その一つ一つが確実に私に影響を与えている。

 学生記者だけではなく、大学の授業・ゼミ、バイト、ボランティア、インターンシップ、その他の普段の生活のなかにも、様々な物事との出会いや人との出会いが数多くあった。そのなかで会ったある人が、人を車にたとえて言った言葉が今も記憶にある。人生は、「どこに向かって、どんなエンジンで、どんな速さで、どの道を通って、どのように運転していくか」だと。

 でも、どこに向かっていくのかという先のことなど、その時になってみないとわからない。だから私は大学生活で、自分が今やりたいこと、知りたいこと、気になることに正直にいた。そういった自由な時間のなかで、様々な物や人に出会い、徐々に自分のことがわかってきたように思う。

 私にとって大学生活は、先の目標を定めてそれに向かって努力していくものではなく、種を見つけていく作業だった。いくつかの種を拾い集めて、それをもとにこれから社会に出て新しく始めていくための、種を探す生活だった。種は私自身の原動力で、この4年間でいくつか見つけられた。でも、自分を刺激するものはまだたくさんあるし、知らないことも山ほどある。だから私は、これからも飽きることなく自分自身を突き動かしていくものを拾い集めていくと思う。

 これからも、いやもっと今以上に、自分に素直にいたい。常に物事に敏感にいて、素直に感動し、怒り、悲しみ、喜べる人でありたい。そうすることで、私自身を支えてくれるモノ、おもしろいモノに出会える。社会に出て、出会いはさらに大きく広がる。間違いなくこの4年間は、そのベースとなり、私のなかで深く根を張り私を支える、そういう大切な時間になったのだと思う。