「大学生活は、ゼミでの活動が中心でした」という。所属したのは、長谷川聰哲教授の国際経済ゼミ。ゼミでは毎年、学術交流の一環として、中国の大学と英語で論文を発表しあう日中国際討論会に参加していて、伊達さんはゼミ代表として2008年の上海シンポジウムで学術奨励賞を受賞した。
2年生の時、北京で開かれた討論会に参加し、「東アジア構想体」について発表した伊達さんは、その時、中国の学生の優秀さに刺激を受け、「負けたくない。絶対追いついてやる」と決意。そして、3年生ではゼミの代表として、次の討論会に向けてほぼ1年がかりでの論文作成に邁進した。
その過程が凄まじい。3年次の後期は論文執筆に専念するため、ほとんど授業には出ず、取得単位はほぼゼロ。また、夏合宿からは論文を100本近く読み込んだ。さらに、ゼミの長谷川教授から「このままでは論文を出さない、まだ足りない」と言われ、大会1ヶ月前からは友人宅で合宿し、怠りなく準備したという。
この追い込みの時期には、「普段は楽観的な自分も、死にたいと思いましたね」と笑いながら当時を振り返る。そして、一昨年11月に上海で行われた討論会に全力で臨んだ結果、見事、学術奨励賞を受けることができた。
厳しいことで知られる長谷川教授から、「論文もメンバーも今までで一番良かった」と認めてもらえたのが何より嬉しかったという。
1年がかりでのゼミ活動をやり遂げて、「精神的に強くなった。それと人に頼ること、仲間と協力することを学びました」という。論文作成も初めは一人でできると思っていたが、徐々に人に任せ、信頼関係を結んでいった。
このゼミ活動の他にも、4年次にはインカレの就職活動支援団体を立ち上げたり、個人的にビジネスコンテストに参加したりと、とにかくアクティブに何事にも取り組んだ。
「自分で限界を作らないこと」というのが、伊達さんのモットー。理由は「限界を超えてこそ、成長できるからです」という。卒業までの残された学生時代を有効に使うため、春休み期間中には日本一周を一人旅した。その理由も「極限を体験した いから」と笑いながら話してくれた。
後輩達には、「自分のやりたいようにやればいい。やりたいと思っているなら、やらないと追いつかない」とアドバイス。今春からは、教育関連の企業に就職する。「日本の教育を良くしたい」という想いを胸に、社会へと踏み出していく。
(望月)