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トップ>Hakumonちゅうおう【2010年早春号】>【群像 それぞれの春】1年休学し、バックパックで南米巡る 焦らず、じっくり成長することを学ぶ

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群像 それぞれの春

1年休学し、バックパックで南米巡る 焦らず、じっくり成長することを学ぶ

西澤 雄一さん/法学部

西澤 雄一

 リュック一つで旅をする、いわゆるバックパッキングは、時間はたっぷりあるけどお金がない学生ならではの旅のスタイルだ。西澤さんは、スペイン語を学ぶために3年生の時に1年間休学し、バックパッキングで南米各国を巡った。訪れたのは、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイなどの国々。いずれもスペイン語が公用語の国々だ。

 「ガラパゴス諸島へ行ったり、ナスカの地上絵やマチュピチュなどの世界遺産を見たりもしました」という。旅先では様々な体験をし、見聞を広めることができた。長距離バスで移動中のバス車内で知り合い、仲良くなったボリビア人の家に泊めてもらったこともある。気ままな一人旅ならではの出会いだ。

 ボリビアにある標高6088メートルのワイナポトシという山の登頂も経験した。「同じ宿に泊まっていた人たちに誘われた」のだという。山の中腹にある街から車で出発した後、トレッキングで標高5300メートルまで登り一泊。翌日、アイスクライミングで一気に山頂まで登った。登頂後の達成感を「『6088メートル』というトロフィーをもらった感じです」と表現してくれた。

 まさに貧乏旅行だった。一日一食、パンだけで生活していた時期もあり、体重は50キロを切った。後に、地元の人に教わったジャグリングを路上で披露してお金を得るようになった。ジャグリングはかなりの収入になり、「宿代を払って一日三食たべてもまだお釣りがきました」という。

 西澤さんは、「大学を休学して南米に長期旅行をする以上、その中で何かを得なければ」と必死になっていたという。しかし、自分より年上で、人生経験豊かなバックパッカーたちと出会い、話をするうちに「20年そこそこしか生きていない自分が未熟なのはあたり前だ」と感じるようになった。「旅の結果を急ぐのではなく、焦らずゆっくりと、時間を掛けて成長していければいいと思うようになりました」と語ってくれた。

 授業でスペイン語を勉強していたこともあり、2年生の時にはメキシコへ留学した。しかし、3週間しか滞在しなかったこともあり、十分にスペイン語を学ぶことができなかった。帰国後、物足りなさを感じ、スペインへの交換留学生に立候補したが落選。それで本場でスペイン語を学びたいとの思いをさらに募らせた。その後、学部の先輩から南米のエクアドルにある語学学校を紹介され、「ヨーロッパに比べ物価が安い」 ことなどもあって、南米行きを決意。エクアドルで2ヶ月間、ホームステイをしながら語学学校に通った後、安宿に泊まりながら各国を回った。

 卒業後は、ゲーム会社で働く。「人を楽しませることをやりたい。エンターテイナーでいたい」と強調した。入社までの期間に、友達と会うため再び南米へと旅立った。

(廣瀬)