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トップ>Hakumonちゅうおう【2010年125周年記念号】>【ニュースPlus】世界ジュニア陸上200mで金メダル 飯塚翔太さん(法1)が日本人初の快挙

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【ニュースPlus】

世界ジュニア陸上200mで金メダル
飯塚翔太さん(法1)が日本人初の快挙

小栗監督(右)と金メダルを掲げる飯塚さん

 陸上競技部の飯塚翔太さん(法学部1年)が、カナダ・モンクトンで開かれた世界ジュニア陸上競技選手権大会(7月19日~25日)の男子200m決勝で、20秒67の記録で優勝した。同大会での男子日本人選手の優勝は初めてで、個人種目ではシニアも含めて日本短距離界初の世界一という快挙だ。

 「重圧を感じることは、あまりありませんでした。それよりも5月に静岡(国際陸上競技大会)で自己新記録(20秒58)を出せたことで、メダルを視野に入れる意気込みが生まれましたね。その結果思った通りのレースを展開できました」

 飯塚さんは、偉業を飾った世界ジュニア陸上をこう振り返る。予選、準決勝とも余裕のレースで突破した飯塚さんは、アジア人として唯一のファイナリストとして臨んだ7月23日の決勝でも2位以下に差をつけ、余裕でゴールを切った。

 世界ジュニア陸上で日本人初の金メダルに輝いたルーキーに、マスコミがつけた呼称が『和製ボルト』。100m、200mの世界記録保持者であるジャマイカの英雄、ボルト選手の冠がつけられたのだから、飯塚さんは一躍将来を嘱望されることになった。

 飯塚さんは、高校3年の頃から、今回の世界ジュニアに照準を合わせた練習計画を立て、練習に取り組んできたという。その甲斐あって、今春の中央大学入学後、様々なタイトルを手中に収めていった。5月3日に行われた静岡国際陸上競技大会の200mで、日本ジュニア歴代3位、今シーズントップの記録の20秒58で優勝。5月22日の関東インカレ4×100mリレーでは中大のアンカーとして出場し、38秒54の日本学生記録で優勝。翌23日には、200mで優勝した。

 飯塚さんは6月の日本陸上選手権の参加標準記録を突破していたが、あえて出場を見送り、的を絞っていた世界ジュニア陸上に臨んだのだった。世界ジュニアには、中大から飯塚さんの他に女部田亮さん(法1)、木村淳さん(法1)が出場、中大陸上競技部の小栗忠監督が日本選手団コーチとして派遣された。

 飯塚さんは身長184cm、体重78kgと、ボルト選手の196cm、95kgにはさすが見劣りするものの、体格は外国人選手にも引けを取らない。「外国人の選手との体格、体力においては違いが沢山ある。しかし自分は自分にしかない能力があるのだから、不利だなどとは特に思わない」と飯塚さんは力強く語る。

 勿論、まだまだ課題はある。小栗監督は飯塚さんの課題について、「今の課題は体幹を鍛えることですね。体幹が弱いので、今後は腹筋回りの筋力づくりを重点に置いた方がいい」と指摘。「弱点の改善は勿論だけれど、彼には長所を上手く伸ばす形で成長して欲しいと思います。勝負はこれからですね」と期待を寄せている。

 飯塚さんが目指すのは2年後のロンドン・オリンピックだ。「来年の8月に世界陸上が行われます。まずはこの大会でオリンピック出場のための標準記録を超えたい」と次の目標に向け、研鑽の毎日が続く。

(学生記者 山下緑=総合政策学部1年)